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貴方.
真っ白な肌、ほんのり赤く染まった血色のいい頬、ちゃんと保湿された綺麗な唇。
男の子やのにまつ毛長いなあ、羨ましいなあ……そんなことを感じた遠い日の記憶に想いを馳せながら、言葉には表せないほど可愛らしい顔をして私を待つ斗亜を見つめる。
ほんまに、こんなに可愛い子が私の彼氏なんや。どうしよう、幸せすぎておかしくなっちゃうかも。小島あたりにはしばかれそうやけど、真剣にそう思った。
ふうっと息を吐いてから、斗亜の両肩に手を添えて、触れるだけの小さなキスをひとつ。
また中学生みたいとかそんなことを言われそうやったけれど、もうこの際それはどうでもいいねん。目の前におる斗亜はそんなこと言わんし、気にせえへんから。
そんなことを思いながらもゆっくり斗亜から離れると、呼吸をする暇すらないほどすぐ、もう1度唇が触れた。優しく頬を撫でられて、今度こそ心臓は爆発寸前。
『……んっ、ふ、』
斗「Aちゃ、……すき、だいすき」
『とあ、……まって、』
「待たれへん」なんて、そう言葉で言われたわけじゃなかったのに、不意に絡まった斗亜の視線がそう言っているように見えて、何も言われへんくなってしまった。
短く、それでも優しく、何度か触れ合うそれに、意識せずとも涙が滲んで、乱れた呼吸を落ち着かせようとゆっくり息を吸う。
その一連の動作がなぜか愛おしく感じられて、斗亜の手を取った。私に応えるように優しく繋ぎ直してくれた手から、お互いの温もりが伝わってきて、やけにほっとする。
何度伝えても足りないくらい、好きで、大好きで。指先からこぼれ落ちそうなほど積もりに積もった愛情を、どうやって伝えようか。
斗「……ごめんなさい、飛ばしすぎたあ、」
『ふふ、へーき、大丈夫やから』
斗「ほんまあ……？」
『うん、ほんま』
宥めるように頭を撫でると、何とも言えない顔をした斗亜に抱き締められて、2人一緒に床に倒れ込む。
斗亜はふわふわと柔らかく微笑んで、「だいすき」なんて愛おしそうに目を細めて私を見つめた。表情ひとつから相手の感情が手に取るように分かるなんて、幸せなことやと思う。
『私も大好きやで、斗亜』
斗「……あーっ、もう、あかん！離れたくない！」
「どこにも行かんといて」なんて、行くはずがないのに。
目一杯私の気持ちを伝えるためにも、両腕でしっかりと斗亜のことを抱き締めた。
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作者名：流星
| 作者ホームページ：https://twitter.com/sst__05
作成日時：2023年2月8日 0時
