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貴方.
『はあ〜……落ち着く……』
斗「Aちゃん、なんか溶けそうですね」
『気持ち的には溶けてるかもしれん』
斗「ええ、とあ嫌やで？Aちゃんがいなくなるの」
『斗亜を置いていなくなるわけないやんか』
ホテルに着いて、成り行きで斗亜の部屋にやって来た。
部屋割りはグループ、そして公演日毎に分けられているらしく、斗亜は公演日の都合で風雅と同室にはならず、珍しく1人部屋ということで喜んでいた。かわいい。
私はいつもの感じで正門くんと同室になってたんやけど、よくよく考えたら斗亜からしたらあんまり宜しくないよな？これ。
『……あのさ、正門くんと同室なん、ほんまにいつものことなんやけど。何もないからって言うたら余計不自然かもやけど……ほんっまに、神に誓って何もないから』
斗「うん、分かってますよ？正門くん、そういう人ちゃうもん」
『それはほんまにそう、正門くんの人望に感謝やわ……』
斗「まあ、メンバーちゃうかったら嫌ですけどね？」
『メンバー以外と同室は絶対ならん！ほんまに！』
唇を尖らせて、可愛らしく拗ねたような顔をしてみせる斗亜。あまりにも可愛いからにやけてしまいそうになるけど、今私の置かれている状況を考えたらそんなことも言ってられない。
疑われるようなことはせえへんけど、斗亜が少しでも不安になったらそれはもう事実と変わらんのやから。私が頑張らないと。
斗「大丈夫、疑ってないから」
『……ほんまに？嫌じゃない？』
斗「嬉しくはないけど……Aちゃんの大切なメンバーで、斗亜にとっても大好きな先輩やもん。嫌とかそんなんちゃうよ」
『うう……なんてええ子なん、斗亜ちゃんは』
斗「わっ、」
ソファに座っていた斗亜を後ろから抱き締めると、それに合わせて強くなった甘い香りに、何となく目を閉じて、彼を抱き締める腕にまた力を込める。
斗「……その代わり、できる限り斗亜のそばにおってくださいね」
『うん、それくらいなんぼでもおるよ』
斗「誰もおらんかったらぎゅってしよな？」
『ふふ、うん。ぎゅーってしとく、ずっと』
斗「今日はずっと一緒がいい、Aちゃん」
久々に会えたからってのもあるかもしれんけど、ここまで甘々な斗亜は久しぶりで。
あまりにも可愛らしいお願いごと、まるっと斗亜を抱き締めた。どうかどこにも行かないでね、なんて、私の方がよっぽどめんどくさい女やろうなあ。
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作者名：流星
| 作者ホームページ：https://twitter.com/sst__05
作成日時：2023年2月8日 0時
