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貴方.
『……あ！良規くん！もしもし！』
正「もしもし、A？元気そうやなあ、良かった」
『収録押しちゃって、遅くなってごめんなあ。良規くんと電話できると思ったら頑張れてん』
正「……もお、あかんよ、可愛すぎるから」
「俺も頑張れたよ」と笑う彼の声は、電話やからかいつもより低く感じて、思わずドキッとしてしまう。
とは言え本題はここから。良規くんの誕生日を完璧に祝わないと、大阪まで飛んできた意味がない。明日も午後には東京に帰らなきゃいけないし、ほんの少しの時間でさえ惜しく感じる。
静かにタクシーを降りると、彼の家の前に着いた。
夜はもう本格的に寒くなってきていて、吐息が白く染まるほど。こんなに寒い日は、やっぱり良規くんに会いたい。
『良規くん、今年は良い1年になった？』
正「うん、お陰様で楽しかったで。Aが東京行っちゃったんは、やっぱり寂しかったけどな？」
『……私も寂しいなあ。早く会いたいもん』
正「俺もずっと会いたいし、ずっと一緒におりたい」
『ふふ、私も』
いつになっても甘々で、時々恥ずかしくなっちゃうけど、結局そんな良規くんが大好きな私やから、やっぱり甘やかされていたいとまで思ってしまう。ワガママやんなあ。
もうすぐ日付が変わる。またさらに大人になってしまう貴方に、私はいつまでも追いつけないけれど、
『……ずっとそばにいさせてね、良規くん』
正「当たり前やん。俺の方こそよろしくな、A」
『うん！……それでね、早く会いたすぎて、待ち切れなくなっちゃって』
正「ん？」
『会いに来ちゃった、って言ったら、困る？』
ふわりと白い吐息が舞い上がって、すっかり暗くなった空へと吸い込まれていく。
彼の声が聞こえなくなった代わりに、ドタバタと忙しなく階段を駆け降りる音が聞こえた。珍しく落ち着きのない良規くんの様子に、思わず笑みが溢れる。
勢いよく開けられたドアの向こう、いつも笑顔の彼の瞳が、ほんの少し揺れた気がした。
『お誕生日おめでとう、良規くん！』
私のセンスじゃ大したものはあげられないし、幸せにしてあげられる自信もないけれど。
貴方が望んでくれるのならば、こんな私の全部をあげるから。
正「……うそやん、本物？」
『本物やで、』
正「わ、まじかあ……Aや、本物や」
『ふふ、何回言うんよ』
そっと私の手を引いて、彼は後ろ手でドアを閉めた。
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流星(プロフ) - るるさん» るるさん、コメントありがとうございます！一気読みしてくださったとのこと、とても嬉しいです（ ; ; ）ほんわかとした雰囲気を目指しているので、これからもほっこりとした気持ちになっていただけるよう、頑張ります！ (2023年1月13日 0時) (
レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - 一気読みしてしまいました、とても心暖かくなる作品です。これからも無理されなペースでの更新、楽しみにしています♩ (2022年12月19日 18時) (レス) @page11 id: a0c184baec (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - ぽんさん» ぽんさん、コメントありがとうございます！更新ペースに偏りがありますが、楽しんでいただけると嬉しいです（ ; ; ）これからもよろしくお願いいたします！ (2022年12月16日 1時) (レス) id: cbee6a2da8 (このIDを非表示/違反報告)
ぽん(プロフ) - また沢山してくれたら嬉しいです！久しぶりの更新嬉しかったです (2022年12月6日 1時) (レス) id: fd8b7f8213 (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - 永瀬れみさん» コメントありがとうございます！前回に引き続き、今回もリクエストありがとうございます(^_^)また更新しますので、暫くお待ちくださいね〜！いつもありがとうございます(^_^) (2022年10月25日 0時) (レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：流星
| 作者ホームページ：https://twitter.com/sst__05
作成日時：2022年10月3日 1時
