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貴方.
小「……な、ほんまに俺のこと好きやったら、ここで泣かへんやろ」
ぼろぼろと情けなくも溢れ出す涙を、彼は親指の腹で優しく拭ってくれた。
自分だって泣きそうなのに、私のことを慰める余裕なんてないくせに。何でこんなときまで優しくしてくれるの、大きな声で怒ってよ。
どこまでも中途半端な奴やな、って、叱ってよ。
『すきだよ、……好きだから、キスでも何でもしてよ、ねえ、』
小「……A、あんな、」
『2番目なんて嘘、吐かないでよ……』
こんなにも苦しい思いをするくらいだったら、初めから1番目にしてくれたら良かった。
2番目同士だなんて、そんな保険をかけて楽になったところで、結局何も生まれなかったんだ。愛とは違う情が生まれて、優しい健ちゃんを縛り付けて。
私ばっかり自由なまま、優しい彼を傷付け続けて、最低で。
健ちゃんは、声にならない嗚咽を吐き出して泣くばかりの私の頭を撫でて、大きな瞳に涙を溜めたまま、「ごめんな」と呟いた。
気が付いたら誰もいなくなった部屋には、まだ彼の温もりが残っていて。
ただどうしようもなく虚しくて、悲しくて、寂しくて。
1人にしないでなんて、そんなことを思う権利、私にはないのに……ただ溢れて止まらない涙をそのままにして、膝を抱いて小さくなっていた。
「……A、ちゃん？」
鍵を閉める気力すらなくて、ただ呆然と見つめていたドアが、遠慮がちに開く。
そこにいたのは、私が今1番会うべきじゃなくて、それでもどうしようもなく会いたくて、心を乱される人だった。
『とあ……』
斗「ごめん、勝手に入って……塾の帰りに通りがかったら、小島くんが出てきたから。声かけようと思ってんけど、そんな雰囲気ちゃうくて……鍵も開いてたし、閉めるために入ってんけど、」
『……っ、う、……うわあ、とあ……どうしよう……』
斗「Aちゃん……落ち着いて、大丈夫やからな、」
しっかりとドアの鍵を閉めてくれた斗亜は、コートを着てリュックを背負ったまま、私の頭を撫でてくれた。
理由も言わずただ泣いてばかりの私に、「斗亜がおるから」「大丈夫やで」「ずっとそばにおるよ」と、何度も何度も繰り返しながら、ずっと。
冷え切ってしまった心の隙間に、優しくてあったかい声が流れ込む。
今はただひたすらに、誰かの優しさが身に沁みた。
わんわん泣き続ける私を、斗亜は文字通りずっと慰めてくれていた。
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流星(プロフ) - あっぷるさん» あっぷるさん、ありがとうございます（ ; ; ）私も2人が大好きで、完結までちゃんと書けてほっとしております〜！新作も執筆中ですので、もし宜しければそちらもよろしくお願いいたします！優しいお言葉、ありがとうございます！(^_^) (2022年12月8日 23時) (
レス) id: cbee6a2da8 (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - みすぅ〜たんさん» みすぅ〜たんさん、ありがとうございます（ ; ; ）書きたい！と思って書いていた作品をこんなふうに褒めていただき、本当に嬉しく思います！コイワズライという斗亜くんが主役のお話を執筆中ですので、もし宜しければそちらでもよろしくお願いいたします！(^_^) (2022年12月8日 23時) (レス) id: cbee6a2da8 (このIDを非表示/違反報告)
あっぷる(プロフ) - 完結おめでとうございます！こじとあ大好きな私には本当に最高の作品で...いつも楽しく読ませていただいてました(^^)新作が楽しみすぎて思わずコメントしちゃいました♡とっても楽しみにしてます！ (2022年12月5日 1時) (レス) @page50 id: 703ded6795 (このIDを非表示/違反報告)
みすぅ〜たん(プロフ) - 完結おめでとうございます！この作品を楽しみに毎日過ごしてたと言っても過言ではありません、、作者さんの素敵な言葉遣いや文字面だけでも斗亜くんや小島くんを思い浮かべられるような性格やセリフで、最高でした♡また斗亜くん主役のお話待ってます⭐︎ (2022年11月24日 2時) (レス) @page50 id: b38fd00c88 (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - ちいさん» ちいさん、コメントありがとうございます！そう言っていただけて本当に嬉しいです…（ ; ; ）そちらの方も近いうちに書きたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします！ (2022年8月24日 0時) (レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：流星
| 作者ホームページ：https://twitter.com/sst__05
作成日時：2022年8月3日 13時
