87. 願ったって奪えないもの ページ37
正門.
正「……また何とも詩的な表現やね、台詞の節々が」
『やんなあ？舞台やったら分からんでもないけど……気持ちの乗せ方が分からんのと、これはマネージャーさんに頼みづらくて』
正「そら不倫は難しいやろな、」
うちのお姫様は、次に挑戦するドラマで不倫をしてしまう役を演じるらしい。
俺的には誠也くんとのことをまだ消化し切れてなかったから、ちょこっと複雑やけど。お芝居のことになると真っ先に相談してきてくれるんは悪い気せえへんし、寧ろ嬉しい。
不倫やけど、燃えるような恋、というか。
決して常識がない役柄ではないのに、それでも止められへんみたいな……何やろ、深いな。不倫とか絶対あかんけど。
出会うタイミングさえ違ってたら、そうはならんかったのに。
……いや、禁断の恋やからこそ燃えるんか？
『めっちゃ申し訳ないねんけど、相手役の人の台詞読んでほしくて……正門くんの解釈で大丈夫やから！』
正「まあそうなるよな……相手おらんとこれは無理やろ」
「やろか」と立ち上がれば、Aは何度も「ありがとう」と繰り返した。俺とAの仲なんやから、それくらい何でも頼みや？
……なんて思ったものの、それとこれとは話が違うわ。
俺の気持ち抑えられる？これ。
不純な気持ちを持て余す俺とは裏腹に、あっという間に役に入り込んでしまうA。
流されるように結婚して、恋だの愛だの、何もかも分からずじまい。
やっと見つけた宝物のような恋愛に溺れるけれど、それは世間的には認められないもので……ざっと読んだあらすじを頭に浮かべながら、俺も気持ちを切り替えた。
移り気で少女みたいな、不安定な心。
大人びているのに、瞳の奥は小さな女の子で。ただ好奇心を抑えられないような、そんな表情に見える。
『……��分からないの、恋なんてしたことがなかったから��』
正「��君には旦那さんがいるじゃないか、何に不満が？��」
『��私、恋ってもっと盛り上がるものだと思ってたから。だとしたら私とあの人のこれは、多分恋なんかじゃないの��』
あっけらかんとした様子で、少しも悪びれずにそう言ってのける。純粋な狂気のようなものが、Aの表情や声のトーンから伝わってきた。
恐らく人間として何らかの感情が欠落しているヒロインやのに、Aが演じるとやけに説得力があって。
「恋なんてしたことがなかった」そんな何の変哲もない台詞も、全部ピッタリや。
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流星(プロフ) - 季木さん» 季木さん、コメントありがとうございます！誠也くんも良いですよね〜…！いざ気持ちを揺さぶられたら冷静さを欠いてしまうのは、きっと男の子ならいくつになっても変わらないだろうな、そう思っています(^_^)今後もたくさんキュンキュンしてもらえるように頑張ります！ (2022年11月3日 1時) (
レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - Mamecccchiさん» Mamecccchiさん、コメントありがとうございます！そうなんですよね！誰よりも男らしい小島くんが本当に好きで…だからこそそう言っていただけて本当に嬉しいです（ ; ; ）こちらこそ、いつもありがとうございます！これからも頑張りますね(^_^) (2022年11月3日 1時) (レス) @page48 id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
季木(プロフ) - いつも素敵なお話ありがとうございます！私は誠也くんとの絡みが1番好きです。年上で余裕そうなのに余裕ぶれない誠也くんが最高に好きです！ (2022年11月2日 7時) (レス) @page46 id: ab79164d22 (このIDを非表示/違反報告)
Mamecccchi(プロフ) - 男らしくて優しい小島くんは本当に最高ですよね、、、。流星さんが描く小島くん像ほんとに最高すぎます、、、。私的にはどこにも行くななんていえない。が一番好みです、、。いつも素敵なお話ありがとうございます！ (2022年11月1日 18時) (レス) @page44 id: b37d1445e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：流星
| 作者ホームページ：https://twitter.com/sst__05
作成日時：2022年7月28日 21時
