動き出せ、初恋《 Yoshinori.M 》 (ページ30)

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貴方.

『……へ？』

大「まあ、俺は知ってるけどな。Aは俺たちのことが大好きで、やめたいわけがないってこと」

大ちゃんは、やっぱり凄い。

「そんなことないで」とか、軽く否定してもらったところで、多分私のモヤモヤは晴れないから。面倒くさい女でごめん……と思いつつも、この気持ちを分かってくれるのは、世界中を探しても私しかいないはず。

嫌ならやめれば？……さりげなく負けず嫌いな私にとって、ここまで心を奮い立たせてくれる言葉があるだろうか。

どんなに足が痛くても、しんどくても、酷いことを言われたって、皆とステージに立つのが好きだった。それに、そもそもこんなイケメンたちの中に女がいたら、嫌な気持ちになる人がいて当然で。だからこそ自分なりのパフォーマンスを見せて、ファンにしてしまえばいい。

そんな風に打開策を考えて、少しずつ前に進んでいく時間が、やっぱり何よりも楽しいから。

『……うん、好きやからやめない！お前いらんねん、って言われるまではなにわ男子におる！』

流「も〜、誰がそんなこと言うねん(笑)Aがおってくれな頑張られへんかったって人結構おるで？それこそ年下組は特にな」

大「道枝とか一番懐いてるもんな、Aに」

『ふふ、ほんまにかわええよ。みっちーも長尾も、恭平も』

流「あんた、恭平に関しては一歳しか変わらんからな(笑)」

『やって可愛いんやもん！あ、流星もな！』

もうセットしてないしええやろ、そう思って流星の頭を撫でると、まさかの素直に受け入れてくれた。衝撃的すぎて一瞬固まってしまったけれど、あまりにも可愛くて撫で倒す。彼のきゅるんとした瞳に捉えられたら、もう何でも買ってしまいそう……

あっという間に、私には何物にも代え難い宝物ができていたらしい。

大「……明日さ、何が起こるんか、そもそも何も起こらんのかもしれへんし、俺には何も分からんけど」

『うん、』

大「Aがなにわ男子に居続けてくれるんなら、もう何でもええかもなあ……」

『……大ちゃんさあ、ちょっと泣かせようとするんやめてくれん？』

同期で、良き理解者で、同じセンターポジションに立っていて、それなのに私のことを守ってくれる人。そんな大ちゃんにこんなことを言われたら、泣くなと言う方が無理だろう。