29. 真夏 ページ29
貴方.
『この季節はシャワーが気持ちいいな……』
流「わ、めっちゃ間抜けな顔してんで、A」
『流星も大分タメ語に慣れたことやし、ええ日やわ』
流「なあいじらんとって(笑)まだ緊張してんねんから」
『絶対嘘やんそれ！』
なにわ男子として、初めての全国アリーナツアー。全国でライブができるだけでもびっくりなのに、まさかアリーナとは……発表を聞いたときは、驚きすぎて一瞬他人事のように感じてしまった。今となってはただただ楽しいしかないし、日々の反省を活かしてさらに良いものを目指せている。
終演後にシャワーを浴びて、髪も乾き切らない内にメンバーと合流する。この後ホテルに戻って、すぐにでも寝てしまいそう……それくらいの充足感。
大「……は〜、明日なにわの日かあ。何かソワソワしやん？」
『もぉ、言わんといたのに……それ言われたら何か緊張すんねんって』
流「まあちょっとは意識するよな、」
『……何にせよ、無事に開催されて、無事に終わるのが一番なんやけどね』
自分たちで言うのもあれだけど、とてもいい波に乗れていると思う。それこそ、このアリーナツアーがその証拠だった。ジュニアとしては考えられないほどの規模感で、既にデビューしている先輩方と変わらない公演数。期待するな、と言う方が無理のある話で。
……デビューなあ。するんかなあ、私たち。そもそも、女がおるグループってデビューしてええんかな？そんなこと言い出したら、もっと早く言えよって話になるけど。
大「何考えてんのかは分からんけど、Aがおってこそのなにわ男子やからな」
『……え、なに、いきなり！』
大「そんな思い詰めた顔されたらなぁ？流星」
流「うん、Aってほんまに分かりやすいで？……俺らのことよく知ってる事務所の人なら、Aが頑張ってることも全部分かってるから」
『……ほんまかなあ。私、ここにおってええんかな、たまに思うけど』
もし仮にデビューできたとして、「女がいるグループ」なんて紹介されたらどうしよう、とか。グループのためになるなら積極的にアピールするつもりだけど、悪目立ちしたんじゃ意味がない。皆の邪魔になるくらいなら、身を引くって言い方もおかしいけど……
大「そんなん簡単やん。Aがなにわ男子におりたいならおればええし、嫌ならやめたらええだけやん？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 619人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Aぇ!group」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
