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貴方.
『え〜……めっちゃ可愛い、どうしよ』
正「そんな喜んでくれるとは思ってなかったわ、良かった」
『そりゃ喜ぶよ〜……ほんまに嬉しい、』
正門くんがくれた花束を写真に収めながら、何度も「ありがとう」と繰り返す。大学には問題なく通えたけれど、縦の繋がりが薄かったから、花束をもらっている同級生を少し羨ましく思っていた。それに、まさか彼からもらえるとは思っていなくて……噛み締めるように優しく抱き締めて、また夜景に視線を移す。
正「……Aさ、多分ここからもっと忙しくなって、俺の手の届かんところまで行ってしまうんやろうなって、最近思うねん」
『え……どうして？』
正「何となくよ？……多分大吾も、他のなにわのメンバーも」
『……正門くんとは、ずっと同期やもん』
正「はは、それはそうよ。どこまでも自慢するで、俺」
「城田Aは俺の同期やねんで〜って」と笑った正門くんに、少し落ち込んでいた気持ちが明るくなる。彼は私が遠くに行きそうだと言うけれど、私からすればそれは反対で。
ドラマに引っ張りだこの正門くんは、安定した演技力で次を掴み続けている。東京でのお仕事だって私より格段に多いくらいなのに……それでもそう思うということは、彼から見ても最近の私は良い調子に感じるんだろうか。
『ほんまに、どこにおっても私は変わらんから』
正「うん、」
『正門くんのことが大切なのも、関ジュが大好きなのも』
正「……何か照れるな、言わせといてあれやけど」
『今日くらいはなんぼでも言うたるよ』
流石に外だからか、触れてくることはしなかったけれど……そっと伸びてきた手に触れて、バレないように手を繋ぐ。何だか握手みたいで面白かったけれど、彼の体温が伝わってきて、胸の奥がぎゅっと苦しくなった。
『いつもありがとう、……ずっと大好きやから、忘れんといてな』
正「……うん、俺も」
『ふふ、……お酒飲んできて良かったあ！』
正「俺だけ素面なん嫌やなあ〜……」
いつも通りの優しい笑みで、「ありがとう」と何度も伝えてくれた。
……なにわ男子デビュー発表まで、あと4ヶ月。そんな頃の出来事だったけれど、私にとって忘れられない夜のお話。
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