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貴方.
『あ……』
目が合ったからと言って、特にやれることはないのだけども。大音量で鳴り響く音楽は止まるわけもなく、当然涼介くんは歌い続けなければならない。ただ、彼の立ち位置は暫くここで固定されるらしく、周辺のファンの方たちは悲鳴に近い声援を送っていた。
彼はやはりプロだと思う。一瞬驚いたような顔をしたけれど、周りに悟られないようすぐに切り替え、スタンドマイクに両手を添えてニコニコと優しい笑みを見せてくれた。
「ほら、凄いでしょう？」
『はい……かっこいいですね、凄く』
「ええ。当の本人は驚いてましたけどね」
いつもかっこいいけれど、今日は特にかっこいいと思う。流れ落ちる汗さえ綺麗に見えるのだから、涼介くんはこの世の全てを味方につけているのだろう。全力で楽しむその姿に、我を忘れてときめいてしまった。
自分のパートでないときは、一人一人と目を合わせて優しく微笑んでくれる。そりゃあ彼のファンは彼に夢中になるだろうし、「目が合った！」なんて最高の思い出として心に残るはず。その光景が微笑ましくて、思わず頬が緩むのを感じた。
「山田がアイドルとして存在するために、やはり結野さんは必要なんですよ」
『……そうですかね、』
「はい。アイドルだって人間ですから、支えがなくては生きていけません」
「山田の貴方を見る目を見れば分かりますよ」と笑った佐々木さんは、ステージを指差す。つられてその先を見やれば、涼介くんは私を見て笑っていた。周りには気付かれていないけれど、確実に目が合って驚いてしまう。
『……へ、』
優しくて優しくて、とろけてしまいそうなほど甘い視線。目を細めて微笑むその笑顔は、いつも見ている涼介くんのそれだった。ステージにいても、何ら変わらない、私の知る山田涼介という人。
「何でいるの？」と口を動かした涼介くんに、少しだけヒヤヒヤしたけれど……上手く答えられずに慌てる私を見て、より一層楽しそうに笑った。
「……��また後でね��」
片手でひらひらと手を振った涼介くんは、颯爽とメインステージに戻っていった。彼の声はマイクに乗らなかったけれど、「後で戻ってくるよ」という意味で捉えられたのか、何とかセーフ……
バレないように小さく頷いた私を見て、涼介くんは柔らかく微笑んだ。
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ひろ(プロフ) - はじめまして！流星さんの書くお話大方読ませていただいております！全て面白くて大好きなのですが、中でもこのお話が甘くてキュンとして大好きです！沢山いつもありがとうございます(,,> <,,)無理せず体調面などお気をつけてお過ごしくださいね (2023年2月3日 3時) (
レス) id: eca626ebab (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - 華名嘉さん» 華名嘉さん、はじめまして！コメントありがとうございます。私の話でキュンキュンしていただけるなんて光栄です（ ; ; ）お気遣いありがとうございます！これからものんびりなペースだとは思いますが、よろしくお願いいたします！ (2022年1月13日 18時) (レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
華名嘉 - はじめまして！読んでいてとてもキュンキュンしています!!!無理せず、更新頑張ってください！ (2022年1月8日 11時) (レス) @page28 id: df2eb067ab (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - めもりさん» めもりさん、はじめまして！コメントありがとうございます。やりすぎかな？と不安になるくらい意識して甘く書いていたので、そう言ってもらえると嬉しいです（ ; ; ）これからもよろしくお願いいたします！ (2021年12月8日 0時) (レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
めもり(プロフ) - はじめまして！流星さんの描く山田くんが優しくて甘くてすごく好きです…！更新毎回楽しみにしていますっ！ (2021年12月6日 1時) (レス) @page8 id: 1ebe0deea6 (このIDを非表示/違反報告)
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