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貴方.
『……りょ、すけ、くん？』
「本気だってば、俺」
顔は優しい笑顔のままなのに、声はしっかりと男の人で。ほんのり滲む暖かいルームライトの明かりが、涼介くんの顔をぼんやりと照らす。さっきまで頭の下にあったはずの腕は、私の顔の両サイドにあって。
……私だって馬鹿じゃないから、今何をされているかくらいは、全然分かる。けれど、
「怖がらせないように必死だったけど、こんなんだよ、俺」
『……それは、』
「男なんて皆こんなもんだけどさ、……俺はAのこと、ちゃんと大切にしたいと思ってるから」
『涼介くん……』
「ふふ、怖がらせてごめんね？」
「俺のこと、もっとちゃんと意識してほしくて」
そう笑った涼介くんの瞳に、嘘なんてなくて。親指の腹で、私の頬を優しく撫でる。ただ表面をなぞるような、触れるだけのそれ。ひどく優しくて、なぜだか今にも涙が溢れてしまいそうな気がした。
「……なんて顔してるの、A」
『ご、ごめんね……びっくりしちゃって、その』
「そりゃそうだよね、俺こそごめんね」
『ううん、嫌だったとかじゃないの、ただびっくりして』
「……分かってるよ、怒ってないから」
あっという間にさっきと同じような腕枕の形に戻って、涼介くんはまた穏やかに微笑む。側から見れば様子のおかしい私に気を遣ってか、「ぎゅってして寝てもいい？」なんて、また優しく笑いかけてくれた。
ダメなわけがない。こくこくと何度も頷くと、「ありがとね」という優しい声と同時に、今にも壊れそうなものを扱うかのように丁寧に抱き締められた。
「……A、あのさ」
『うん、？』
「またさっきみたいに、……もし俺がAに嫌なことしたらさ、今度は突き飛ばしてね」
『へ……』
「俺だって一応男ですから、」
「好きな子目の前にして、おかしくなっちゃうかもしんないし」なんて、私が嫌がることなんて絶対にしないのに……顔は見えないけれど優しく笑う涼介くんに、またなぜか胸が痛んだ。
『……うん、でも、嫌じゃなかったらこうしてぎゅってするね、』
「はは、ほんとに？」
『うん……ぎゅってして、温めてあげるから、ね』
「……Aは優しいねぇ、」
涼介くんの方が、……そんな声は、喉の奥に溶けていった。
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ひろ(プロフ) - はじめまして！流星さんの書くお話大方読ませていただいております！全て面白くて大好きなのですが、中でもこのお話が甘くてキュンとして大好きです！沢山いつもありがとうございます(,,> <,,)無理せず体調面などお気をつけてお過ごしくださいね (2023年2月3日 3時) (
レス) id: eca626ebab (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - 華名嘉さん» 華名嘉さん、はじめまして！コメントありがとうございます。私の話でキュンキュンしていただけるなんて光栄です（ ; ; ）お気遣いありがとうございます！これからものんびりなペースだとは思いますが、よろしくお願いいたします！ (2022年1月13日 18時) (レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
華名嘉 - はじめまして！読んでいてとてもキュンキュンしています!!!無理せず、更新頑張ってください！ (2022年1月8日 11時) (レス) @page28 id: df2eb067ab (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - めもりさん» めもりさん、はじめまして！コメントありがとうございます。やりすぎかな？と不安になるくらい意識して甘く書いていたので、そう言ってもらえると嬉しいです（ ; ; ）これからもよろしくお願いいたします！ (2021年12月8日 0時) (レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
めもり(プロフ) - はじめまして！流星さんの描く山田くんが優しくて甘くてすごく好きです…！更新毎回楽しみにしていますっ！ (2021年12月6日 1時) (レス) @page8 id: 1ebe0deea6 (このIDを非表示/違反報告)
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