107. こわいもの ページ7
貴方.
大「うわっ!!」
光「すっげぇ揺れたな……皆大丈夫?」
知「うん、びっくりしたけど平気」
がたん、とエレベーターが揺れた。絶叫系のアトラクションが、急降下を始める前に一旦止まるみたいな……表現するとしたらそんな感じの浮遊感だったと思う。それでも生まれて初めての感覚に、足がすくんだ。
メンバーだけでの移動中、問題なく動いていたはずのエレベーターが突然止まり、何の反応もなくなってしまった。
薮「……あれ、A?どした?」
『あ……や、その、……』
雄「顔色悪いね。びっくりした?」
『うん……』
隣にいた宏太の腕にしがみつくと、彼はふにゃりと笑って「大丈夫だって」と私の頭を撫でてくれた。停電したわけでもなさそうだし、きっとシステムのトラブルなんだろうけど……私はこの手の非常事態に弱い。ちょうど睡眠不足だったこともあって、より一層不安になってしまう。
伊「まあ大丈夫だって。すぐ動くよ、A」
『そ……だよね、うん、』
伊「そんなに怖いなら俺の手も掴んどく?」
『……』
「ん?」と首を傾げる慧。後になって揶揄われそうだけど……背に腹はかえられないか。
意を決してその腕に触れると、慧は一瞬だけぴくっと動いた。そしてすぐ理解してくれたのか、後はもう何も言わずに寄り添ってくれるだけで……こういうとき頼れるのがずるいよなあ。
裕「あ、いーなあ。Aってば薮くんと伊野ちゃんに挟まれてる」
涼「ちょ、裕翔動かないで……」
知「あーあー、……閉所苦手な二人がやられちゃってるじゃん。まだ動かないの?」
雄「んー、そうだね。このボタン押すんだっけ?」
薮「そうそう。……もう少し待とうかと思ったけど、涼介、A。限界だったりする?」
私と涼介の顔を覗き込んだ宏太に、首を横に振る。限界かと聞かれれば、まだ耐えれる気がするし……背中にじわりと滲む嫌な汗をそのままにして、宏太と慧の腕を掴む手に力を込めた。
涼「俺ももうちょい……上向いてたら大丈夫かも。でもAちゃんほんと顔色悪いよ、」
『……ごめん、なんかくらくらしてきた』
大「え!大丈夫?!」
息が詰まる感覚に襲われた瞬間、エレベーターはまた大きな音を立てた。
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流星(プロフ) - mizuiroさん» mizuiroさん、お久しぶりです!( ; ; )コメントの返信まで遅くて申し訳ないです…!本当にマイペースな上に時差も半端ないですが、のんびりツアーの話も更新できたらなと思ってます!気長にお待ち頂けると幸いです( ; ; )いつも本当にありがとうございます! (4月19日 23時) (レス) @page28 id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
mizuiro(プロフ) - 久々の更新嬉しいです...!!! (1月30日 23時) (レス) @page28 id: 29b3887541 (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - ゆるりんちょ。さん» ゆるりんちょさん、コメントありがとうございます!お待たせしてしまい、本当に申し訳ないです…( ; ; )緩いペースではありますが、今後ともよろしくお願いいたします! (2022年12月26日 20時) (レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - mizuiroさん» mizuiroさん、いつもありがとうございます!( ; ; )お待たせしてしまい申し訳ありません( ; ; )ネタが浮かび次第、細々と更新していきますね…! (2022年12月26日 20時) (レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるりんちょ。(プロフ) - こちらの小説が大好きでもう何回も読み直してます!また更新されるのを待ってます!! (2022年11月29日 2時) (レス) id: 0f7a58df20 (このIDを非表示/違反報告)
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