127. いとおしい ページ27
大貴.
大「……なんか、すっかり軽くなったな」
『ん?』
大「髪の毛、」
前までは、かなり長かったはずなのに……綺麗に伸びた金髪をバッサリと切ってしまったかと思えば、真っ黒に染めてきたA。前髪は伸ばしたままで、最近はかき上げるのが癖らしい。
ライブまであと2時間ちょっと。のんびりとケータリングを食べる俺の隣で、Aは丁寧に髪を梳かしていた。
『……やっぱり見慣れない?私のショート』
大「まあ、新鮮な感じはするけど……昔は短かったよなあと思って、懐かしくもなるかな」
『ふーん……』
俺としては、伸ばすのも大変だったろうに……なんて気持ちも大きかったりするけど、ファンの方には大好評みたいで。
インスタライブのときはAの髪型に関するコメントも多かった。その後何となく気になって調べてみたら、「イケメンすぎる」なんて反応だらけだったなあ。
大「……一応、確認だけど」
『うん?』
大「無理して切った……とかは、」
『ない!』
ハッキリとそう言い切ったAに、笑みが溢れる。
もちろん直接本人から聞いたわけじゃないけど、昔のAはとにかく男と女の差を気にしてか、努めて男らしく見せようとしていた。最初の数年は、Aのロングヘアはおろか、ミディアムすら見ることができなくて。
でもたった今、そこに対する不安や心配は一瞬にして消え去った。
大「……そうだよなあ、うん。良かった」
『心配してくれてたの?』
大「まあ、それなりには」
目を細めて笑ったAは、「ありがとね」と俺の顔を覗き込んで、そしてすぐに立ち上がった。
『なんか急にお腹空いてきた!』
大「おー、食べるなら早めにしとけよ」
『うん、せめて2時間前だよね』
ケータリングを確認しに行ったAの背中を眺めていると、いつの間にやら隣にやってきていた伊野ちゃんが「Aかわいいね」とぼんやり呟く。
大「今はどっちかって言うとかっこいいでしょ?」
伊「んー、まあ見た目的にはそうかもだけどね。そういうところが可愛いんじゃない?」
大「……伊野ちゃんはレベル高くて分かんねえ」
Aが可愛くて、そして誰よりもかっこいいことなんて、もうずっと前から知ってる。
伊野ちゃんの言うそれは、健気だとかいじらしいだとか、そんなことなんだろうけど……分かるようで難しくて、とりあえずは目の前のたこ焼きに集中することにした。
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流星(プロフ) - mizuiroさん» mizuiroさん、お久しぶりです!( ; ; )コメントの返信まで遅くて申し訳ないです…!本当にマイペースな上に時差も半端ないですが、のんびりツアーの話も更新できたらなと思ってます!気長にお待ち頂けると幸いです( ; ; )いつも本当にありがとうございます! (4月19日 23時) (レス) @page28 id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
mizuiro(プロフ) - 久々の更新嬉しいです...!!! (1月30日 23時) (レス) @page28 id: 29b3887541 (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - ゆるりんちょ。さん» ゆるりんちょさん、コメントありがとうございます!お待たせしてしまい、本当に申し訳ないです…( ; ; )緩いペースではありますが、今後ともよろしくお願いいたします! (2022年12月26日 20時) (レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - mizuiroさん» mizuiroさん、いつもありがとうございます!( ; ; )お待たせしてしまい申し訳ありません( ; ; )ネタが浮かび次第、細々と更新していきますね…! (2022年12月26日 20時) (レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるりんちょ。(プロフ) - こちらの小説が大好きでもう何回も読み直してます!また更新されるのを待ってます!! (2022年11月29日 2時) (レス) id: 0f7a58df20 (このIDを非表示/違反報告)
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