122.( Kota.Y )request ページ22
貴方.
薮「うわ〜、リアルすぎるだろ。A本当にお嫁に行きそう」
『あはは、それは役者として嬉しい感想だね』
薮「結婚式当日の映像見せられてる気分だもん、俺」
珍しく宏太のお家で、私の出演したドラマを見ている。何でもこのシリーズのファンらしく、役作りのこととか色々聞きながら見たい〜なんて頼まれたのだ。それほど嬉しいことはないから、二つ返事で了承した。
程よく酔いが回ってきて、お互い頬をピンクに染めて、楽しく笑い合う。何やかんや彼といるときは、一番穏やかでいられる。
『まあでもね、本当に結婚したらどう感じるだろう……とか考えながら歩いたのよ。バージンロードは』
薮「ええ、具体的に何考えながら歩いたの?」
『んーっと、隣を歩くお父さんのこととか、もちろんお母さんも……後はね、デビューしたときのことも。割りと走馬灯みたいにぶわって流れてきたよ』
薮「……え〜、俺たちのことも過ぎったんだ?」
『当たり前じゃん!私の人生のほとんどがJUMPで埋まってるよ』
グラスを片手に、それはそれは嬉しそうに笑った宏太。愛されてるなあなんて、恥ずかしげもなく思えるのは、昔から彼に惜しみない愛情を注がれているからこそ。感謝を込めて軽く見つめ返せば、宏太は視線を手元に落とした。
薮「……俺はさぁ、ウェディングドレス着るA見て、寂しくなっちゃった」
『ええ?ほんとに?』
薮「うん……ずっと言ってるじゃん、特別だって。俺のこれは、寵愛とか友愛と同じだと思ってたんだけどね」
『……違うの?』
薮「違ってたなあ」
ふわふわとした口調で呟いた宏太は、グラスをテーブルに置く。いつも穏やかな目をしているから、いくら見つめられても何も思わなかったのに……今日ばかりは心臓がうるさい。笑みの向こうに真剣さが見えてしまって、戸惑いが隠せなくなった。
薮「誰のところにも行かせたくないってのも、まあ俺のエゴだけど」
『……それは』
薮「あーあ!墓場まで持ってくつもりだったのになあ」
「可愛い妹なんだから」と笑う宏太が、どこか寂しく見えた。だからと言うわけじゃないけれど、私だって彼のことはとても大切に思っているし。
『……それさ、素面のときにまた言ってくれたりする?』
薮「え?」
『そのときは私も、ちゃんと答えるから』
……私だって、誰にも譲りたくないんだよ。
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流星(プロフ) - mizuiroさん» mizuiroさん、お久しぶりです!( ; ; )コメントの返信まで遅くて申し訳ないです…!本当にマイペースな上に時差も半端ないですが、のんびりツアーの話も更新できたらなと思ってます!気長にお待ち頂けると幸いです( ; ; )いつも本当にありがとうございます! (4月19日 23時) (レス) @page28 id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
mizuiro(プロフ) - 久々の更新嬉しいです...!!! (1月30日 23時) (レス) @page28 id: 29b3887541 (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - ゆるりんちょ。さん» ゆるりんちょさん、コメントありがとうございます!お待たせしてしまい、本当に申し訳ないです…( ; ; )緩いペースではありますが、今後ともよろしくお願いいたします! (2022年12月26日 20時) (レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - mizuiroさん» mizuiroさん、いつもありがとうございます!( ; ; )お待たせしてしまい申し訳ありません( ; ; )ネタが浮かび次第、細々と更新していきますね…! (2022年12月26日 20時) (レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるりんちょ。(プロフ) - こちらの小説が大好きでもう何回も読み直してます!また更新されるのを待ってます!! (2022年11月29日 2時) (レス) id: 0f7a58df20 (このIDを非表示/違反報告)
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