119.( Yuya.T )request ページ19
貴方.
『わあ……ほんと綺麗』
雄「だろ?」
『流石雄也だね、いい海に詳しい』
「何だそれ」と笑った雄也は、潮風で靡く長い前髪をかきあげた。そんな仕草までも様になってしまうのは、やはり彼が夏を背負って生きる男だからなのか……こんな仕方のないことを、真剣に考えてしまう。
考えすぎて、訳が分からなくなって、パンク寸前だった私を、雄也は夜の海へ連れ出してくれた。撮影終わりに車に乗せられて、あっという間に目的地に到着して、今に至る。
雄「……まあ、さ。あんま考えすぎなくて良いんじゃない?ずっと頑張ってるんだから」
『ふふ、……そう思う?』
雄「……そりゃあずっと見てたから分かるよ」
『えー、嬉しいな』
雄「信じてないだろ」
信じないも何も、私のことなんて……というネガティブモードに突入しているせいなのか、優しい言葉を素直に受け取ることができない。こうしている間にも、胸がチクチクと痛む。
泣きそうになって空を見上げてみると、小さな星が目に入った。それだけで余計に泣けてしまって、耐えられずに溢れたそれを包み込むようにか、雄也の香りが鼻を掠める。
雄「……本当だよ、ずっと見てた。最近元気ないなとか、どうやったら笑ってくれるかなとか」
『へ……』
雄「光くんとか薮くんみたいに頼れないと思うけどさ、……俺はずっとAのそばにいるから」
何も言えずに黙り込む私を見かねてか、ゆっくりと離れていく雄也。さっきまで抱き締められていたことにやっと気付き、ワンテンポ遅れて恥ずかしさがやって来る。頬の熱に気を取られている間に、涙はすっかり引いていた。
雄「ほら、もう泣き止んだ」
『……だって、びっくりして』
雄「だろーなあ。俺に抱き締められることなんてなかっただろ」
『うん……』
雄「それが狙いなんだけどな」
『……えっ』
雄也の後ろには、大きな海が広がっていて。無数の煌めきを放つ星空と相まって、何だかとてもいい雰囲気なんじゃ……なんて考えに至る。待て待て、
それはそれは優しく微笑む彼は、私の髪を整えるように撫でつけた。
雄「……Aが好きだよ。この先もずっと、一番そばで見守ってたいんだけど」
「俺じゃダメかな」なんて、私が断れないこと、知ってるくせに。
120.( Hikaru.Y )request→←118. ぱられる( Kei.I )request
998人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
流星(プロフ) - mizuiroさん» mizuiroさん、お久しぶりです!( ; ; )コメントの返信まで遅くて申し訳ないです…!本当にマイペースな上に時差も半端ないですが、のんびりツアーの話も更新できたらなと思ってます!気長にお待ち頂けると幸いです( ; ; )いつも本当にありがとうございます! (4月19日 23時) (レス) @page28 id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
mizuiro(プロフ) - 久々の更新嬉しいです...!!! (1月30日 23時) (レス) @page28 id: 29b3887541 (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - ゆるりんちょ。さん» ゆるりんちょさん、コメントありがとうございます!お待たせしてしまい、本当に申し訳ないです…( ; ; )緩いペースではありますが、今後ともよろしくお願いいたします! (2022年12月26日 20時) (レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - mizuiroさん» mizuiroさん、いつもありがとうございます!( ; ; )お待たせしてしまい申し訳ありません( ; ; )ネタが浮かび次第、細々と更新していきますね…! (2022年12月26日 20時) (レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるりんちょ。(プロフ) - こちらの小説が大好きでもう何回も読み直してます!また更新されるのを待ってます!! (2022年11月29日 2時) (レス) id: 0f7a58df20 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ