118. ぱられる( Kei.I )request ページ18
貴方.
『……え、いま、なんて』
伊「だから、好きって」
『いや、そんなのは聞き慣れてるんだけど』
伊「じゃあ良いじゃん、聞き流せば」
『……そうはいかないでしょ、』
珍しく慧に誘われて、二人のオフが重なった日にご飯に行った。度数の低い甘いお酒をちびちびと飲んで、随分と気持ち良く酔っていた頃だと思う。いつものようだと言えばそれはそうだったけど、突然たった一言伝えられた「好き」は、何かこう、流すことのできない重たさを持っていた。
私よりほんの少し強いお酒を飲む彼は、明日は午後から撮影らしい。一切顔色が変わっていないから、酔っていないと思ってたけど……もしかして相当酔ってる?
伊「んじゃ言うけど、俺はここまでそれなりに恋愛してきたつもりなのね」
『……うん』
伊「後にも先にも、お前ほどしっくり来る人はいなかったんだよ」
『先にも……って言うには、ちょっと早くない?』
伊「細かいことはいいの」
『いや大事だって、少なくとも今この場では』
グラスの中の氷が、からんと音を立てて揺れた。長年連れ添ってきたメンバーから突然伝えられた好意は、思っていたよりも呆気ないもので。……いや、これを好意と受け取って良いものなのか。そもそも慧って、人類を愛してるみたいなとこあるし。
素直にそう伝えてみれば、彼は心底おかしそうに笑った。肩を上下に揺らすそのクセは、他のメンバーからよく真似されている。
伊「流石の俺もそこまで博愛主義じゃねーよ」
『でも、私のこと好きな素振りなんて見せなかったじゃん』
伊「見せてたよ。お前が気付いてなかっただーけ」
『人を鈍感みたいに』
伊「実際そうじゃん。俺の好きって気持ちも、ハイハイいつものやつねって流してばっかでさあ」
『……それは、慧の伝え方に問題があったんじゃないの?』
伊「俺のせいかよ」
あはは、と笑った慧は、一切めげることなく「分かったよ」と背筋を伸ばした。そしてまた顔色を変えることなく、そっと私の手を包み込む。
伊「誰よりも大切にするからさ、」
『……うん』
伊「そろそろ俺のこと一番にしてくれないかな」
グラスの中の氷も、おまけに私の心も。……からんころんと音を立てて溶けていった。
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リクエストで、伊野尾くんとの恋愛です。
他のメンバーで見たい等あればぜひ!
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流星(プロフ) - mizuiroさん» mizuiroさん、お久しぶりです!( ; ; )コメントの返信まで遅くて申し訳ないです…!本当にマイペースな上に時差も半端ないですが、のんびりツアーの話も更新できたらなと思ってます!気長にお待ち頂けると幸いです( ; ; )いつも本当にありがとうございます! (4月19日 23時) (レス) @page28 id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
mizuiro(プロフ) - 久々の更新嬉しいです...!!! (1月30日 23時) (レス) @page28 id: 29b3887541 (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - ゆるりんちょ。さん» ゆるりんちょさん、コメントありがとうございます!お待たせしてしまい、本当に申し訳ないです…( ; ; )緩いペースではありますが、今後ともよろしくお願いいたします! (2022年12月26日 20時) (レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - mizuiroさん» mizuiroさん、いつもありがとうございます!( ; ; )お待たせしてしまい申し訳ありません( ; ; )ネタが浮かび次第、細々と更新していきますね…! (2022年12月26日 20時) (レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるりんちょ。(プロフ) - こちらの小説が大好きでもう何回も読み直してます!また更新されるのを待ってます!! (2022年11月29日 2時) (レス) id: 0f7a58df20 (このIDを非表示/違反報告)
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