愛されプリンセス３《 HSJ 》

111. （部屋割り捏造） ページ11

知念.



『……あ、ここやまちねなんだぁ』

知「え、なに？」

涼「Aちゃん、お酒飲んでる？」

『うんそぉ、さっきまで大貴と慧と飲んでて』




へらり、と笑ったAは、「飽きたからルームツアーしてる」と前髪をかきあげた。こてんと首を傾げる仕草は、酔ってるせいかどこかあざとい。

さっきまでゲームをしてた涼介は、「危ないから中入って」とAの背中に手を添えた。




『ありがとぉ、……二人はなにしてたの？』

知「ゆっくりしてたよ。涼介のゲームの動画撮ってた」

『え、レオ様の？』

涼「……Aちゃんに言われると照れるね、何か」

『何でよ〜』




あっという間にソファに座らされたAは、「私全部見てるよ、動画」と、けらけら笑った。涼介はその一言でもう爆発しそうなくらいなのに、この人は相手のキャパシティをいとも簡単に超えてしまう。

持っていた缶チューハイをそっと奪い取り、代わりに水の入ったペットボトルを持たせた。冷えてるから酔いも醒めるでしょ、なんて。




知「……Aさ、何かしら行動すると全部MCでバラされるからね。僕忠告したから、一応」

『ん〜？MCは……まあ、面白くなったらそれで、』

知「ファンの人からしたら面白いかもね、酔っ払いAのだる絡み」

涼「大分需要あるだろ、それ」

知「はいはい、ファンは黙ってて」




置いていたカメラの電源を落とし、傷を付けないようにそっと片付ける。そんな僕の様子をにこにこと眺めているAは、何がそんなに楽しいのか……優しすぎるほど甘い笑みを浮かべて、またもや首を傾げた。




『だる絡みしたくなるのも、可愛い弟たちだけですから』

涼「へ、」

『んふふ、次は裕翔の部屋行こうかな〜。宏太だっけ？同室』

知「A……そこ行ったら帰れなくなるよ、ここにいなよ」

『ん〜？ちぃちゃんはここにいてほしい？』




ゆーてぃと宏太じゃ、お酒のノリで確実に捕まえられて朝までそこで過ごすことになるだろうし……そんな僕の心配はお構いなしなのか、的外れなことを聞くA。もう面倒だからそれでいいよ、と頷けば、満足そうに「それならここにいる〜」と笑った。

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