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貴方.
涼「……Aちゃん、ここにいたんだ」
『え……りょ、すけ、なんで？』
涼「そりゃあ既読付いてるのに返信なかったら……何かあったんじゃないかって、」
肩で息をする涼介は、「良かった、見つかって」と笑う。彼の笑顔はいつもと同じで、……何もかもがいつも通りなのに。普段と変わらないそれに、涙が溢れて止まらなくなる。涼介はいつも、こうやって私のそばにいてくれたんだ。
涼「ずっとここにいたんだよね、風邪引いちゃう」
『う、ん……』
涼「ほら、たまにはココアでも淹れたげるからさ。早く帰ろ？」
『……ごめんね、涼介』
涼「ふふ、こういうときはありがとうが聞きたいな」
ベンチに座っている私の目線に合わせて屈んだ涼介は、そのまま頭を撫でてくれる。「大丈夫だよ」と励ましてもらっているような、そんな感覚で……ひどく落ち着いた。
長時間外にいたせいか、はたまた今日の撮影の影響なのか……いつもより掠れた声で、「ありがとう」と呟く。
涼「……声枯れちゃった？俺の方こそごめんね、……不安にさせたでしょ。本当は直接説明するつもりだったんだ」
『ううん、いいの。……勝手に不安になっちゃって、』
涼「そんなことないよ、……俺がAちゃんの立場なら、絶対疑ってた」
「Aちゃんは優しいね」と困ったように笑った涼介は、私の手を取る。ふわりと優しく手を引かれて、私はゆっくりとその場に立ち上がった。
涼介はいたって自然な流れで私の手を引くと、そのまま家の方向へ足を進める。指と指が絡められた手は、言うまでもなく恋人繋ぎというもので……付き合い始めてから、こんな風に外を歩いたのは初めてだった。それがたとえ、真夜中であったとしても。
私にとっては、それが涙が出るほど嬉しかった。
『……撮られたら、どうしようね』
涼「大丈夫だよ。こんな真夜中に、」
『ふふ、……それもそっか』
涼「でしょ？たまにはこうして手繋いで歩こうよ」
『……いいね』
私たちがアイドルであることを選び続ける限り、心の深くまで、全てが満たされることはないのだろうと思う。それでも、その一瞬一瞬を、取りこぼすことなく埋めていけたら。涼介となら、前に進めるのかもしれない。
……指先から伝わる温もりを逃さないよう、繋いだ手に力を込めた。
80. 温もりを分けるように→←78. 満たされることはなく
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流星(プロフ) - りーさん» りーさん、コメントありがとうございます。本当にお待たせしてすみません…（ ; ; ）楽しみにしてくださるお気持ちに応えられるよう、私なりのペースではありますが、今後も頑張ります。どうぞよろしくお願いいたします！ (2023年2月4日 3時) (
レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - ちゅんさん» ちゅんさん、コメントありがとうございます。いつまでも応援してくださる方がいて、私は本当に幸せ者です（ ; ; ）お待たせいたしましたが、細々と続けて参りますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします！ (2023年2月4日 3時) (レス) @page50 id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
りー - 更新楽しみに待ってます…！ (2022年8月29日 20時) (レス) id: 6a01619271 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - 久しぶりの更新嬉しかったです！この作品とっても大好きです！！これからも応援してます！！！ (2022年5月9日 23時) (レス) @page50 id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - りーさん» りーさん、いつもありがとうございます！有り難いお言葉すぎます（ ; ; ）そうですね、そろそろメンバーにバレてもおかしくないですよね…（笑）入念に計画しようと思います！これからもよろしくお願いいたします！ (2022年3月13日 0時) (レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
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