65. 手を繋いで歩けたなら ページ15
涼介.
『……一生のお願いだから、これ着てください』
涼「え……?」
仕事終わりに珍しくAちゃんの家に呼ばれたかと思えば、神妙な面持ちの彼女が差し出したのは、どこかのブランドの紙袋。その中身を確認して、絶句したのがものの数分前のことで……
それでも言われるがまま、寝室でそれらに着替えた。何で俺も拒否しなかったんだ……?大切な彼女からのお願いだから、断れないわけだけど。……いや違う。断れよ、これは。
涼「……あの、これは、」
『うわ、やっぱり可愛い……』
涼「うーん、ありがとう……?」
フリフリのワンピース、ロングヘアのウィッグ。俺の体格をカバーするためになのか、用意された薄めのタイツ。……何で俺、家で女装してるわけ?俺が女装するより、何倍も可愛い彼女が目の前にいるのに。
そういや、つい最近バラエティの企画で女装したっけ……
涼「どうしたの、この服とかウィッグとか。あんまり着ない感じじゃない?」
『うん……変装するときとか、たまにね、』
涼「……俺に着せたかったの?」
『うん……』
ぼんやりと俺を見つめるAちゃんは、「こっち来て?」なんて、手招きをする。何だか上の空というか、心配になっちゃって……視界で揺れる黒髪に違和感を抱きながらも、その隣に座った。
ぎゅっと抱き締められて、頭を撫でられる。……俺、もしかして女の子扱いされてる?それにちょっとドキドキしてるの、自分がちょろすぎて心配なレベルなんだけど……
『……涼介さぁ、女装したら、外歩いてもバレなさそうだね』
涼「へ?」
『そしたらさ、……私と手繋いで、歩けるのかな』
どこか熱のこもった声色。首元に顔を埋めたAちゃんは、慣れた手つきでウィッグの毛先を整えた。真っ白で細い指は、いつもより熱くて少し戸惑う。
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流星(プロフ) - りーさん» りーさん、コメントありがとうございます。本当にお待たせしてすみません…( ; ; )楽しみにしてくださるお気持ちに応えられるよう、私なりのペースではありますが、今後も頑張ります。どうぞよろしくお願いいたします! (2023年2月4日 3時) (レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - ちゅんさん» ちゅんさん、コメントありがとうございます。いつまでも応援してくださる方がいて、私は本当に幸せ者です( ; ; )お待たせいたしましたが、細々と続けて参りますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします! (2023年2月4日 3時) (レス) @page50 id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
りー - 更新楽しみに待ってます…! (2022年8月29日 20時) (レス) id: 6a01619271 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - 久しぶりの更新嬉しかったです!この作品とっても大好きです!!これからも応援してます!!! (2022年5月9日 23時) (レス) @page50 id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - りーさん» りーさん、いつもありがとうございます!有り難いお言葉すぎます( ; ; )そうですね、そろそろメンバーにバレてもおかしくないですよね…(笑)入念に計画しようと思います!これからもよろしくお願いいたします! (2022年3月13日 0時) (レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
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