56. 酔うより熱く ページ6
貴方.
「はい、じゃあお疲れ様でした。何かあったら連絡お願いします。対応しますから」
『……』
どこか疲れた様子のマネージャーさんを見れば、今ここで私の事情で呼び止めるのは、あまりにも申し訳ない気がした。
地方ロケのため、メンバー全員でホテルに泊まる。部屋割りもその場で言われて、その場で対応して……それ自体はよくあることだし、もう何年もやってるから分かる。そうなんだけど、今の私は昔の私とは違うわけで。
部屋の数が足りないとか何とかで、「有岡さんとAさん、二人部屋で大丈夫ですかね」なんて困った顔をされた。もはや大貴とは家族同然なわけだから……私に確認することもなく、彼は「大丈夫大丈夫」と笑ったのだ。
大「Aシャワー浴びてなよ。俺知念のとこで浴びてくるからさ、」
『あー……うん。そうする。ありがとね』
大「……なに、急に大人しいじゃん。どした?」
間違いが起こらないように万全の注意を払ってくれることも、全部分かってた。
替えの服を持って立ち上がった大貴は、私の顔を覗き込むと「まあ突然だったもんな〜」と笑う。ただ単に男性と同室で過ごすことを不安に思っている……そう見えてると思うけど、実際は別で。同じグループに在籍する彼氏に、嫌な思いをさせるんじゃないかと……そんなことは口が裂けても言えない。
大「まあ、あれだよ。一番同室率高いし、無難なわけよ。俺とAの組み合わせが」
『……んまあ、そうなるよね。落ち着くし』
大「だろ?特に何もないって、普通普通」
「じゃあ風呂行ってくるわ」と、既に侑李と裕翔の部屋をお風呂呼ばわりの大貴に、思わず笑みが溢れた。
涼介と私の現状を知らなくても、今更そんなことになるほど浮ついた関係でもない。私ばっかり慌てて緊張してたんじゃ、大貴も休めないだろうし……一度眠れば寝起きは最悪な彼のことだ。お酒を飲んで疲れて眠れば、多分そのまま朝まで目覚めないし。
問題は涼介だな、なんて、目を瞑って温かいお湯を浴びる。下手に言い訳したらそれこそ変な話だし……なるようになれ、そんなところかな。
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流星(プロフ) - りーさん» りーさん、コメントありがとうございます。本当にお待たせしてすみません…( ; ; )楽しみにしてくださるお気持ちに応えられるよう、私なりのペースではありますが、今後も頑張ります。どうぞよろしくお願いいたします! (2023年2月4日 3時) (レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - ちゅんさん» ちゅんさん、コメントありがとうございます。いつまでも応援してくださる方がいて、私は本当に幸せ者です( ; ; )お待たせいたしましたが、細々と続けて参りますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします! (2023年2月4日 3時) (レス) @page50 id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
りー - 更新楽しみに待ってます…! (2022年8月29日 20時) (レス) id: 6a01619271 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - 久しぶりの更新嬉しかったです!この作品とっても大好きです!!これからも応援してます!!! (2022年5月9日 23時) (レス) @page50 id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - りーさん» りーさん、いつもありがとうございます!有り難いお言葉すぎます( ; ; )そうですね、そろそろメンバーにバレてもおかしくないですよね…(笑)入念に計画しようと思います!これからもよろしくお願いいたします! (2022年3月13日 0時) (レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
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