28. ページ28
貴方.
『お、おお、合鍵……！』
いつも通り一郎太のお家にお邪魔すると、自然な流れで手に乗せられた鍵。「そろそろ頃合いだと思って」と優しく笑う一郎太に、本当に彼女になったんだなあという実感が湧いてくる。
何の変哲もないただの鍵なのに、何だかずしりと重く感じて……ううっ、幸せ！
『ありがとう！大事にする！』
「……大袈裟だなあ、ただの鍵だよ」
『いや、だって！嬉しいの、ちゃんと認められた気がして』
よし！失くさないようにお気に入りのマスコットを付けて、大切に保管しよう。
今までは何となく夢のような気がして、本当に付き合ってるのかな、なんて不安だったけど……こうして少しずつ嬉しいことが積み重なって、大切にされてるなあって思えるようになって。
「……認めるも何も、俺の彼女はお前しかいないだろ？」
『ふふっ、うん、そうだね』
「あとは……鍵を渡したからって、無理してこっちまで来なくていいからな？おばさんが留守のときは、ちゃんと俺から行く」
『え、そんなの悪いって』
「良いんだよ、距離も変わらないだろ？」
隣に腰をおろした一郎太は、「それに」と私の頭を撫でた。……何というか、まだちょっと犬扱いが抜け切ってないようだけど。嫌いじゃないから良しとする。
「……お前、男の家に一人で来ることがどういうことか、分かってなさそうだし」
『へ、』
「俺だから良いけど……ううん、違うな。これからのためにも、ちゃんと警戒心は持ってほしい」
「俺のワガママだよ」と笑う一郎太が、何だかとっても可愛く見えて。今度は私がわしゃわしゃと頭を撫でると、「何だよ」なんて眉を下げて笑った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 55人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
須芽 - 3年くらい経つけど、ほんっともう最初から最後まで微笑ましかった……😌😌いいね、こういうストーリーも。どんどん幸せになってくれたらなぁって思う！ (11月18日 17時) (
レス) @page36 id: 9e9ee07bc0 (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - 陽毬さん» はじめまして〜！胸キュンを目指して書いているので、そう言って頂けてとても嬉しいです（ ; ; ）これからもよろしくお願いします！ (2021年2月27日 21時) (レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
陽毬(プロフ) - キュンキュンが止まりませんでした！更新楽しみにしてます！！ (2021年2月19日 14時) (レス) id: 7fb19f5638 (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - りんさん» りんさんはじめまして！ここにも同志様がいて嬉しいです！これからも一緒にイナイレを愛でましょう（笑） (2021年2月15日 23時) (レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - この小説とても好きです！！自分もイナイレに再熱したので仲間がいて嬉しいです！^_^ (2021年2月15日 6時) (レス) id: 6469d50b4b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
