仕上げは甘くとろけるように【奥入祐】 ページ4
*
テスト前の自習の時間。
私は苦手科目である数学と必死に戦っていた。
「ウワーーー！！もうダメ！！無理！！」
死にそうな声で叫ぶ私を見て、隣の席の奥入くんが笑いながら言った。
「何があったの？数学？」
「うん...ここの問題がね、どーーーしても解けなくって...」
シャーペンの先でプリントをつつく。
どれどれ、と奥入くんが問題をじっと見つめる。
しばらくして、彼のメガネの奥の瞳がくるんと光った。
「ああ、これ、ここにある錯角を使うんだよ。それで、2辺とその間の角が等しいことを言う。そしたら、きちんと証明できるはずだよ。」
「錯角...あっ、ほんとだ！それで、2辺とその間の角だから...やった！できた！！」
私が解けなくて唸っていた問題をあっさり解いてみせた彼に、私は感嘆の声をあげた。
「ありがとう、奥入くん。前から思ってたけど、やっぱり頭いいんだね。」
「そんなことないよ。まあでも、数学は得意かな方かな。」
奥入くんが照れくさそうに笑う。
「また分からないトコあったら、聞いてよ。いつでも、教えるから。」
「え？ほんとに？いいの？」
「うん、もちろん」
「やったぁ！！あ、でも、私ばっかり教えて貰ってちゃ悪いな。じゃあ代わりに私に何かしてほしいことある？なんでもするよ！」
奥入くんが真面目な顔になって、考え込む。
「...ほんとに、なんでもいいの？」
「もちろん！私にできる範囲のことなら、だけど」
彼はしばらく思案していたが、意を決したように拳を握りしめた。
「...じゃあ、テストが終わったら...」
「うんうん」
「僕と......でっ、でで、デート！してくれませんか！！！」
奥入くんは真っ赤になりながら言った。
目を見開いて、彼をまじまじと見つめる。
「...え、あの、わ、私と？」
真っ赤な顔のまま、奥入くんは頷く。
彼の言葉の意味を理解して、私も頬に熱が集まる。
込み上げる嬉しさで、唇が震えた。
「いいよ。楽しみにしてるね」
私の言葉に、奥入くんがぱっと目を輝かせる。
「...ッッッやった！！！」
心底幸せそうに笑う彼の表情に、胸がときめかずにはいられなかった。
*
あまみつつきのこい【豪炎寺修也】→←ティースプーンの余剰【鬼道有人】
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チェレステ(プロフ) - 杳覇さん» 私も杳覇さんが大好きです〜〜〜！！（号泣）鬱陶しいなんてとんでもないです！これからも気が向いたら気軽にコメントしちゃってください！続編の方でもどうぞよろしくお願いします！(*´∀｀*) (2020年5月16日 18時) (
レス) id: 2dc5e30747 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 豪炎寺くんが最初っから最後までカッコ良すぎる大好きですこのお話！！！ひえええ次回最終回！？ううっ…楽しみに待ってます(´；ω；`) 短期間で三度目のコメントすみません…！！鬱陶しくなったらいくらでも無視して下さって構いませんので！！チェレステさん大好きd(( (2020年5月14日 20時) (レス) id: 14ae3b839b (このIDを非表示/違反報告)
チェレステ(プロフ) - 杳覇さん» あああ二度もコメントをしてくださりありがとうございます！！とても励みになります(号泣)貴方様のような素敵な読者に楽しでもらえるような執筆を目指してこれからも頑張ります！！どうぞよろしくお願いします！！！ (2020年5月14日 11時) (レス) id: 2dc5e30747 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - ああああ豪炎寺くんすでに最高っ…！！すみません感情が昂ってしまい思わずコメントしてしまいました……！！続きが凄く楽しみです！！ずっと応援しています！！ (2020年5月12日 22時) (レス) id: 14ae3b839b (このIDを非表示/違反報告)
チェレステ(プロフ) - 杳覇さん» まだ見てくださっている方がいらっしゃったとは…！！！感謝感激です！！ありがとうございます更新頑張ります！！！ (2020年5月9日 10時) (レス) id: 2dc5e30747 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チェレステ | 作成日時：2018年6月11日 21時
