42 sideルーク ページ43
ルークSIDE
わたしがあのポーチを渡してから、彼女は日増しに綺麗になって行った。
そんな様子を見ながら、ぼんやりと思う。
彼女にふさわしいのは、厳格な精神よりも……奮励の精神であったのに、と。
確かに彼女は規律に厳しく、寮長である薔薇の君に追いつこうとして必死で、彼にもよく似ているが……。
そんな自分の思考に、はっとする。
なぜわたしは、彼女と同じ寮であったら、と考えているのだろう。
……確かに興味深い存在で、わたしはもっと彼女を知りたくて、常に目で追っていて。
魔法が得意のようでもなく、勉学もさほど得意ではなさそうな彼女。
けれど寮生に恥じぬようにと懸命にしている努力、それは表でも、陰でも、本当に美しいもので。
それは今までのどんな獲物よりも、目を惹かれるもので。
「……どうしてわたしは鏡舎で待っているのだろうね？」
愛しの人に、手土産を渡すために悩むその横顔は、わたしへ向けるものとは違っていた。
恋をする乙女の顔の、なんと美しいことか。眺めているだけで、満足だったはずなのに。
……どうして、声をかけてしまったのだろう。
獲物は見ているだけで、よかったはずなのに。
……仕留めたい、と。
……手中に収めたい、と。
けれどそれは、攻撃的な感情ではなく。
ただのいつもの好奇心とも、異なり。
『恋してるわけ？』
ヴィルの声が蘇り、頭を振った。
わたしが恋愛なんて！ありえないよ。
わたしはただ、美しいものを追い求めていたいだけで。
特定の誰かを作ることなど、考えたこともない。
……わたしが誰かを幸せにできるとも、考えたことは無い。
わたしは、ただ。
彼女が美しいことを、ヴィルにも。
否。
この学園の全生徒にも、知らしめたくて。
「……何故、こんなにも息がしづらいのだろうね？」
闇の鏡も、男を呼ばなければただの鏡だ。
いま鏡に映っている金髪の男は、おそらく。
世界で1番、情けない顔をしているのだろう。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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リュウ(プロフ) - ayaさん» こちらこそお読みいただきありがとうございました！楽しんでいただけたのなら何よりです♪ (2021年5月29日 3時) (
レス) id: 0164172c9d (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - めっちゃ良きルークさんありがとうございました！！！ 過去はわからないのですが最高でした！ (2021年5月24日 1時) (レス) id: 739f2b6295 (このIDを非表示/違反報告)
リュウ(プロフ) - 、さん» 、様、ご指摘大変ありがとうございます。ご指摘頂けなかったら気づけないままでした。ご不快な思いをさせてしまい申し訳ありません。今一度、規約を読み直しました。他にルール違反をしないよう精進して参ります。コメントありがとうございます。 (2020年5月28日 12時) (レス) id: 4f9eddeefa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リュウ | 作成日時：2020年5月18日 2時
