8/13 ページ8
*
「…ごめん」
それは、聞こえるかどうかの小さな声で。
今までの記憶をひっくり返しても、
ごめん、
なんて、
小川から言われたのって片手で足りるんじゃないか。
そんな事を考えてたからか、
何がおきたか一瞬判断が追いつかなくて。
ふわ…、と足元にかがみ込まれて、
「きゃ…」
とかなんとか、
女子みたいな悲鳴をあげてしまった。
…まぁ、一応は女子なんだけども。
きょとんとした顔でこちらを見上げた彼と、
ようやく目が合う。
「なに今の声」
「や…、咄嗟のことで、わたしにも…」
よくわからない、
という言葉にかぶせて、
「かわいー声。」
その、柔らかな少しかすれた声は、
妙に色っぽさもあって。
それ以上の思考ができなくなってしまった。
*****
この、なんっにもわかってない同期は、
どこまでも果てしなく鈍くて。
彼女とかいるわけねーだろ。
ってか、
名前で呼んだのだって気づいてなさそうじゃね?
ホントのホントに馬鹿なんじゃね?
なんて
イライラしながら手を引っ張ってたもんだから、
ヒールの音が変なのに気づくのが遅れてしまった。
くっそ、俺ともあろうものが、
…不覚。
ポーチに絆創膏入ってたよな。
悪かったなと思いながら、
絆創膏をはろうと屈み込んだとき。
聞こえてきた声は、
耳を疑うほど可愛らしくて。
急に見せつけられた
女子っぽさに、
こいつにも女の子の面がちゃんとあったんか、
なんて感心してしまった。
747人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yu-ri(プロフ) - ノアの方舟さん» コメントありがとうございます!只今リクエストの受け付けは中断させていただいております。せっかくお立ち寄りくださったのに申し訳ありません。また再開の折にはこちらで告知いたしますので、タイミングが合えばよろしくお願いします。 (3月10日 22時) (レス) id: b9365aa7af (このIDを非表示/違反報告)
ノアの方舟(プロフ) - リクエストまだ大丈夫でしょうか?もし大丈夫でしたら、小川選手と山本選手で試合を内緒で見にきた彼女をメンバーの方が早く気づいて拗ね気味になって、試合後の控え室でデレてしまうお話をお願いしますm(_ _)m (3月5日 1時) (レス) id: cebf5680f2 (このIDを非表示/違反報告)
yu-ri(プロフ) - めーさん» はじめまして!コメントありがとうございます!そのシーン、私もお気に入りでして(*^^*)めーさんにも気に入ってもらえて嬉しいです!小川くんのお話しは一旦これで終わりですが、また他のお話も気に入っていただけたら嬉しいです(^^) (11月27日 16時) (レス) id: b9365aa7af (このIDを非表示/違反報告)
めー(プロフ) - 初めまして(*^^*)小川さんのお話、めっちゃ好きです!リップ買う、買わないの時の「そっかぁ」が大好きで……(,,> <,,)何回も読み返しました!これからの更新も楽しみにしてます( *´꒳`* ) (11月27日 12時) (レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:yu-ri | 作成日時:2023年11月17日 13時