龍神さんと。3

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駄目だ。


さっきの衝撃から全然立ち直れてない。





今は、

どんな顔して小川と向き合えばいいかわからない。






他の娘と楽しそうにやってるみたいだし、


もう少し時間あけてから行けばいいよね。






とにかくこの場を離れて、


後でラインでもしよう。






じり、


と後退った時、



小川がこっちに気づいたようで。







「ごめんね？彼女、来ちゃったわ」







とか言ってるのが聞こえてきて。






えぇ〜、とか、うそぉ〜、


なんて黄色い声が上がる。





思わず私も周りをきょろきょろ見回してしまった。







ってか、え？




小川って彼女いたの？








なら、

こんな、


女子の端くれみたいな私といえど、



だめでしょ。



他の女とお出かけしたら。







すくなくとも私は、


彼氏(いないけど)が


他の女の子に

リップ買ってあげたりしたら、



即別れる。(いないけど)







やばい、


一刻も早くここから逃げないと。






小川よ、



この埋め合わせはスタバ一週間くらいじゃ

割に合わないんだからね！






悔しくて


きっとにらみつければ、





ふわりと優しい顔で笑うから。






あぁ、


いいなぁ。






小川があんなふうに笑うの、




見たことないや。






なんて、


小川の彼女さんに嫉妬したりして。






こっちに向かって歩いてくるのに、


身動きが取れなくなってしまった。








「A、遅かったね。


　待ちくたびれちゃった、俺。」







こてん、と首を傾げて、


この上なくあざとい笑顔で覗き込んでくる。







っはぁ？！



彼女さんに見られたらどーすんの？！








「ん。行こ？」







眼の前に差し出された手と、

小川の顔を交互に見る。





「ん？」





にっこりといい笑顔で微笑まれて、




反射的に手を出してしまった。







しまった、


と思ったときにはもう、




恋人繋ぎで捕まえられていて。








私の脳は、



今度もまた






処理落ちしてしまった。

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