スーパースターのきみ

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*






可能な限り長く一緒にいたい。





それは、ふたりの共通認識で。










それでも、




明日早朝の情報番組に生出演して

そのまま空港へ向かうのを考えれば、




タイムリミットは自ずと逆算されてしまって。











Aちゃんの家の最寄り駅の改札まで。











それが限界だということになった。












.













駅の駐車場に停めて、


車のキーを彼女に返す。





おそらく、納車された時のままの状態で、

キーホルダーも何もついてないそれ。





ついさっきまでいた彼女の部屋も、


俺の部屋ほどではないにしてもシンプルにまとめられていて。






何とも彼女らしいと思う。










手のひらに乗せたキーを

何故だかじっと見つめている、



その

つむじすら愛おしい。







身体を重ねる前よりも


ずっとずっと愛おしさが増していて。









彼女の一挙手一投足、



すべてかわいくてたまらない。








でもやっぱり


顔が見たいな。






なんて思ってたら、

気付いたらのぞき込んでいて。






そっと

髪を耳にかけてあげた時、




ふわりと漂うシャンプーの香りが

自分と同じなことに




意図せず胸が跳ねる。







はた、と気づいたようにこちらを見上げる瞳は、


くるりとかわいく瞬くから。









あぁ、キス、したいなぁ、








なんて、





性懲りもなく思う。













名残惜しいけどそろそろ行かなきゃかな、


と、ポケットに入れたスマホを取り出そうとしたとき、






ようやく


その存在を思い出した。







ってか、


今の今まで



頭ん中Aちゃんでいっぱいだったとか、





俺、もう、どんだけなんだよ。








ちょっと久々のぽんこつっぷりに我ながら呆れて、







「はい、これ。どうぞ。」






その


小さな包みを手渡した。

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