スーパースターのきみ

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「…おじゃまします…」





車に乗り込む時以上に小さな声。



こちらにも緊張が伝わってくるからやめていただきたい。






「どうぞ…」






へんに緊張してしまって、

スリッパをさかさまに差し出したり。




ヤバい。


どんどんテンパってくるのが自分でも嫌というほどわかる。





窮屈そうに車におさまる姿とか、


部屋に入るとき身をかがめながらくぐるところとか、


いつものソファーが小さく見える、だとか。






自分の暮らす空間に、


この人がいることがいちいち現実味を増していく。










どうやってもてなしたものかと悩んでると、


自宅ツアーをご所望されてしまった。






そんなの何が楽しいんだろ。





ってか、見られてヤバいとこなかったっけ。



昨日、爆速で大掃除したから、たぶん、大丈夫…



って、あ、

そこは、寝室…。







「こっちは？」







ねぇ、言葉と行動を一緒にしないで。


聞いてから開けて！





という言葉も間にあわない素早さで


寝室のドアを開けられてしまう。






別に、別に変なものはないよ？


ちゃんと片づけたし？






でもでも、



でもだよ？










明日イタリアに発つ彼、




寝室、




二人きり。











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一つに思えた。

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