スーパースターのきみ

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通いなれた駅のロータリー。


特に迷いなく車を寄せる。






着いたことを知らせようとラインを開いた瞬間、


コンコンと窓がノックされる。






そこには






身をかがめながら嬉しそうにこちらをのぞき込む、






史上最高の逸材


石川祐希がいた。








え、なんでこんなとこに石川祐希？？




しっぽ振ってます？




しっぽ装備ゆーきですか？？？








と、一瞬脳がバグるけど。












そうだ、


私、



この人を迎えに来たんだった。








…無理だな。


無理。





何がって言うか、


何もかもが無理。








一度は交わった視線を外し


正面をガン見する私を見かねた彼が、




さっきより強めにノックする。






まるで

試合中の抗議みたいにせっかちにノックされて、


しぶしぶ窓を開ける。






「ねぇ！なんで一回無視したの？

　早く中、入らせてよ」





ガチャガチャとドアノブの音を立てて急かすのが


なんだか見知った〈石川祐希〉像と一致して。






解釈が完全に一致したな



なんて思ってると、





もう一度催促されてしまった。















「おじゃまします」



ちょっとだけ拗ねた声がして

ふ、と思わず笑みがこぼれた。






「ねぇ、俺、ちょっとショック。」

「ごめんね笑」

「ほらまた笑う〜」

「だってかわいいんだもん笑」



「、だか、ら、かわいいとかやめってってば…」






顔を真っ赤にした彼を助手席に乗せて。






こんな何気ない会話をする時間すらも、










何故だか愛おしくて仕方なかった。

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