スーパースターのきみ

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降り立ったのは


なんだか地元を思い起こさせる普通の駅で。





都会の雑踏から離れた静けさは


不思議と安心感を得る。






もちろん、ミラノは大好きな街だし、

もし日本に帰ってくるとしてもきっと似たような都会を選ぶだろうけど。





この雰囲気が嫌いなわけじゃない。






ここ数日の慌ただしさを思えば、


この穏やかな空気は



少しだけ

肩の力を抜かせてくれるようだった。








この空の下、


彼女が暮らしている街だと思えば



愛おしさも増すもので。







好きな人が住む街まで好きになっちゃうって


あるんだな。






恋って(以下略)













約束の時間より少し早く着いて誰かを待つなんて


日本ではほとんどなくなってしまっていて。





なんだかとても


贅沢をしてる気分。









あと少しすれば、


あなたに会える。








たった一日間が空いただけなのに


もう




何年も会ってないかのように








恋しい。













誰かが


恋をすれば世界が輝いて見えるって言ってたけど





本当だったな。











駅に併設された小さなスペースのカフェすらも


スペシャルな空間に見える。






ちょうど


窓際はガラス張りで、

ロータリーがよく見えた。





音楽でも


と思ってイヤホンを出したけど、



曲をかける直前でやめた。





普段は常に手離さないタブレットを開くのも

なんでか気分じゃなくて。







この、何気ない雑踏の中。






飾り気のない人々が行きかう素朴な駅。








ここで、


あなたが来るのを待つ。







それは




とてもとても







愛おしい時間のように思えた。

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