スーパースターのきみ

15 ページ25

*






かわいいかわいいと言われ続け


とんでもない目にあったけど、




そのやり取りもなんだか面白くって。







もっともっと彼女を知りたくなった。






寂しい思いをさせるのは間違いないし、


泣かせてしまうこともあるかもしれない。






でも

その後笑ってくれるから。






俺も一緒に笑顔になれるから。









この人を好きになってよかったと、


心から思えた。










『祐希くん、私も』





キスしたくなる、




そう言われて

ますます会いたくなって。






でも、

やっぱりわがままは言えなくて。







『会いたいときは会いたいって言うね。』








どこか

決意めいたその言葉は、




ストンと




俺の中に入ってきて。









『会えないってわかってても


　会いたいって思ってるんだって、





　ちゃんと伝えるから。』










「…うん……、うん…」








聞こえてくる自分の声が、


震えてるのが分かる。







きっと

Aちゃんにだってバレてるだろうけど、






そんなこと、全然気にならなかった。






どれだけ情けない姿でも。


子供みたいに涙を流す姿でも。






あなたには


俺の全部を見てほしいから。








「…お、れも、言う。ちゃんと。」


「Aちゃんに会いたいって。」


「Aちゃんが、好きだって。」






『ふふ、祐希くん、泣き虫さんだね笑』






「Aちゃんこそ笑」





『…祐希くん、大好きだよ。




　これから、


　ずっとずっと、よろしくね』







泣きながら

きれいに笑う、


愛おしいあなた。








俺も多分



泣いてるんだろう。








画面は必要以上に滲んでいて。










それでも




なぜだか心は妙に晴れていて。












涙を流させはしない、



なんて





できない約束はしない。











そのかわり、







嬉しい涙はもちろん



悲しい涙も、







一人で流させはしないと










心に決めた。

16→←14

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す