スーパースターのきみ

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『…っ、かわいいとか、ないし！』








顔、ますます真っ赤だね。


耳も赤いね。






「かっわ…」


『ねぇ！やめてって！かわいくないから！』





「え？かわいいけど？石川祐希はかわいい。



　かわいいんだよ？」




『いやいや、いや、ちょ、なに？どうしたの？』





「はい、かわいい。慌ててる顔もかわいい。」


「耳真っ赤になっちゃってるのも、

　ほんっとかわいい」


「かわいくないって言っちゃうのもかわいい」





まくしたてるようにかわいいかわいいと言い募る私に、

途中からもう否定の言葉も出なくなったのか、







『…も…、やめ…はっず…ぃ』







顔を両手で覆って


か細い声で訴えてくる祐希くんが、







もちろん、






「やばい、すっごいかわいい、

　隠してるのもかわいい」






もう、かわいいが飽和しすぎて、


わけがわからない。







「ねぇ、どうしてそんなにかわいいの？」



「そんなにかっこよくて、

　バレーもうまくて、

　それなのになんでそんなにかわいいの？」







『おねがい…、もぉ、かんべんして…』






あ、泣いちゃう。



どうしよう。






泣き顔も綺麗だから、


見てみたい。


顔みたい。





いや、流石に無理か。






「ごめんね？

　ちょっと、テンション上がりすぎちゃった」


『…ぅん、ん、だい、じょぶ…』





…あ、むり。



見たい。



たぶん、泣いてはないかもだけど、

涙目にはなってるよね。



見たい。



見せてくんないかな。







「顔、見せて？」






だめだ。


全然理性が働かないわ。




どうしよう、ドン引きされたら…





そう心配したのも数秒のことで、






『…見せたら、もぅ、かわい…、

　っていうの、


　やめてくれる…？』



「うん、やめる！やめる！

　だから、顔、見せて？」





典型的なやめるやめる詐欺だな、

なんて思いもするけど。






『…、ん…、はい、』




「…っ…、っ………！」






人って、



ほんっとに感動したときって





言葉が出なくなるんだね。









想像してみてほしい。








うっすら涙目になって、

耳まで真っ赤にした、

かわいいかわいいバチクソイケメンな

上目遣いの



石川祐希の姿を。










この世に、



神はいるな、





と思った。

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