スーパースターのきみ

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とは言え、



じゃあこのままでいいかというと、



そういうわけもなく。








だって、無理なものは無理だし。





そう。

何を隠そう、いや、別に隠してはないけども、




私はこう見えて

甘えたがりの寂しがりで。





〈過密スケジュールの

　トップアスリート(イタリア在住)の彼〉






とのマッチングの可能性は、


ほぼ０％と言っていい。









一昨日は確かに、

彼のことばを信じようと思えたし、





何より、





祐希くんの言葉は、


他の誰よりも信じられるけど。











彼がイタリアに行ってしまえば。






バレーに没頭してしまえば。










私のことなんて忘れてしまうだろうというのもまた、





十二分に信用に値するから。











心を、預けてしまわずに


その時を待とう。









そうすれば、まだ、引き返せる。








石川祐希強火ファンに戻れる。











ファンと選手としての一線を、


半歩、



踏み越えてしまいそうになっているけど。









今ならまだ、



ちょっと刺激強めのファンサをもらったと、





…いうことで、








…片付けることが…













できるわけないやろがい。







べろちゅー(言い方)までして、


なんならちょっと(かなり)気持ちよくなっちゃったんだよ？












あれがファンサとか、







あるわけないやろがい。












昨夜だって、ほんの短い間しかないからって



いきなりトップギアで


何度も何度もキスされて。







身体には



まだ、



その余韻が強く残っているから。










私を捉えて離さない瞳


すっぽりと頬を包み込む大きな手


あの、唇の感触。







それらは


どれひとつとして、








私を現実に引き戻してはくれなさそうだった。

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