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#16 ページ17




「Aちゃーん…Aちゃん?」




リビングに入ると彼女の姿が見当たらなかったから一瞬焦った。




俺が風呂入ってる間に出てっちゃったんじゃないかって。




でも、そんなんじゃなくて。




「…なんだぁ。こんなところに。」





ソファにすっぽり身体をはめて寝ているAちゃんを見つけてホッとしてしまうんだ。




ソファの前にしゃがみ込んで、Aちゃんの横顔を見る。




「ベッド…。」




俺の…しかないよなぁ。




「…ベッドいこっか。」




スッと相手の首元に手を持って行って、持ち上げたら




んう、って声がして起こしちゃったかと焦ったけど
またすぐにスースー寝息を立てながら寝始めてホッとする。




寝室のベッドに横にさせて、隣に座って



布団から出るAちゃんの手をそっと握った。




ポロリ、Aちゃんの目から涙が零れてシーツにシミが出来る。




「何がそんなに辛い…?」




濡れた頬をそっと拭くと、




「あっ…」




拒絶するように向こうを向いてしまった。




「ごめんね、彼氏さんいるのに。」




握った手を布団の中に戻して、寝室を後にした。



本当なに考えてんだろう俺は。




拒絶されるなんて当たり前の事なのに、落ち込んでる自分がいたり。




頭の中を巡るのはスマホの中にいたあの男で。



俺なんかとは似ても似つかない、チャラチャラした感じの。



なんかイライラして、むしゃくしゃして、



気がついたらチューハイの缶が2本、転がっていた。



「ああもう……」




ダメだと分かっていてもフラフラ冷蔵庫に向かってまた缶を出して




3本目のチューハイに手を付けた。



こんなに呑めないの分かってるのに。



イライラの原因も、こんな複雑な想いも、分かってる。




久々の感覚だ、って分かってる。




ゴク、と3本飲み干して、ソファに横になった。




「…どうして……」




……なんで俺はあの子の事をもっと知りたいって思ってしまうんだろう。




許されない想いだと知りながら、




どうすればもう一度あの子に会えるだろう、




もう少し一緒に居れるだろう




なんて、考えたりして




心配ってのは本当だけど、


それよりもっと、なんか、感じるものがあって連絡先なんて渡したんだ。




どうしてこんなにも必死なんだろうか。




頬に触れた指先の感覚に想いは強まるばかりだ。

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設定タグ:神木隆之介 , 小説 , アミューズ,俳優   
作品ジャンル:タレント
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☆☆☆ - とても面白かったです。神木さんやさしすぎて、ニヤケテきちゃいますw頑張ってください。 (2016年5月26日 19時) (レス) id: 6a604ade35 (このIDを非表示/違反報告)
miork(プロフ) - Aka3926さん» ありがとうございます(^^)7月ぐらいまで忙しくて中々更新出来ないかもしれませんがよろしくお願いします; (2016年5月22日 0時) (レス) id: bcd20fc75e (このIDを非表示/違反報告)
Aka3926(プロフ) - とても面白いですー。更新楽しみにしてますねー。 (2016年5月21日 11時) (レス) id: eddc991718 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:miork | 作成日時:2016年5月6日 10時

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