#10 ページ11
side A
「ううっ……んっ…」
「……」
なんで止まってくんないのよ…!
神木さんの前でこんなこと…
もう泣くのは十分だろって自分に言い聞かせても、涙の調整なんて出来るわけなくて。
「なんでっ……」
それでも、背中をさすってくれる神木さんに申し訳なくって。
また涙が溢れてきて。
自分でもだいぶ酔ってるってことは分かってる。
こんなになったのは初めてで怖いけど、全部忘れられるような気がするんだもん。
「神木さんっ……」
「っちょ、それ俺のっ…」
「…んっ……」
「…もうやめとこう?な?」
私なにやってるんだろう…って、
思った時には遅いんだよ。
何馬鹿なことを…。
神木さんのグラスを口元ギリギリまでもってって、ハッとする。
神木さんの手が重なって初めて気付くなんて…。
ピコン、とアプリの通知がなったスマホに
“先に帰るね”というメッセージが1時間前と表示されていて
私はどんだけ泣いてるんだって思い知らされた。
「ごめんね、飲ませてあげたいのは山々なんだけど、これ以上はさすがに心配。」
「……ごめん…なさ…。」
ようやく少し涙が治まったと思ったら、トントンと一定のリズムで伝わる振動が心地よくてウトウト。
意識が朦朧(もうろう)として起きてるのか寝てるのかはっきりしなくなってきて
「じゃあそろそろ………Aちゃん?」
目をあけると見たこともないふかふかのソファに寝転がっていた。
・
・
32人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
☆☆☆ - とても面白かったです。神木さんやさしすぎて、ニヤケテきちゃいますw頑張ってください。 (2016年5月26日 19時) (レス) id: 6a604ade35 (このIDを非表示/違反報告)
miork(プロフ) - Aka3926さん» ありがとうございます(^^)7月ぐらいまで忙しくて中々更新出来ないかもしれませんがよろしくお願いします; (2016年5月22日 0時) (レス) id: bcd20fc75e (このIDを非表示/違反報告)
Aka3926(プロフ) - とても面白いですー。更新楽しみにしてますねー。 (2016年5月21日 11時) (レス) id: eddc991718 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:miork | 作成日時:2016年5月6日 10時