第七話 射撃訓練 ページ7
翌日の米花図書館基地には、パパパァァンッと激しい銃声が響いた。射撃訓練だ。いつ命を落とすかわからない図書隊員達は、日頃から射撃室で訓練を重ねている。
「旨いな、工藤」
風見教官と剣持教官が俺に感心をもったような視線を向ける。
「いえ、ハワイで親父に教わったもんで…」俺が風見教官に答えると安室教官がいつの間にか側にいて、「いや、こいつはまだまだ下手くそだ。相手(マーク)の狙いから外れている。」
そして、安室教官は「貸せ」と俺からライフルを奪い、人形の的を狙う。パァンッと響き渡る銃声。「人を一発で気絶させたいなら鼻先を狙え」
「鼻先…、?」俺は目を丸くして安室教官に問いかける。すると安室教官はこう答えた。
「幼き日の友が言っていたんだ。まぁ、友といっても喧嘩ばかりしていたけどな。その彼はメディア良化委員会に行ってしまったが」
安室教官は少し切なげな表情を浮かべた。
俺はその時みた安室教官の表情の意味をまだ知らなかった。
ウーウー。
訓練中、響き渡る緊急サイレン。
ゾッと背筋が凍りつくような嫌な予感。
周囲はすぐに慌ただしくなった。
「メディア良化隊の接近です!」
隊員の一人からの無線を安室教官はとった。
「わかった!いますぐそちらに向かう!」
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作者名:風見龍輝(低浮上) | 作成日時:2018年4月20日 19時