第六話 安室教官… ページ6
自販機コーナーに逃げ出したのはいいが。
(なんでここにいるのかな御前は!本当都合わりぃ!)「なんでこのタイミングで来るんだ」安室教官は不機嫌そうに俺がいる方向に顔を向けた。
イラッと来るが、今日のことは謝らなければならない。「あのッ、今日は…」俺が謝ろうとすると、安室教官は「謝るな、」と俺を止めた。
「そっちに謝られたら俺も怒ったことを謝らなければいけなくなる、だから謝るな」
バーロー、人がせっかく素直になろうとしてやってんのに……!それなら訊いてやるよ!
「なんで確保者俺にしたんですか!」
「なんで知っている」俺が問うと、安室教官はそう問い返した。
「黒羽に聞きました」安室教官の問いに俺は答えた。安室教官は、「ったく、黒羽は…」黒羽に呆れ、はぁッとため息を吐いた。
「俺が…確保者になる資格なんてないッ……だから!」何が成績優秀学年トップだ、学力があるからって人の話全く聞かないで。
相手を倒して終わりじゃねえんだよ…。
ダメだ_教官の前では泣きたくなかったのに。
ポロポロ涙が溢れ出す。こんなんで教官に反抗して、俺は一対何様だ…
俺が俯いて涙を流していると、安室教官はポンッと俺の頭を軽く叩いた。その手の優しさが何かと重なった。「安室教官、背高いですね」
俺が安室教官を上目で見上げると、安室教官は
「御前が小さいだけだ」とケッと嗤った。
でも、不思議だ。
「安室教官、俺辞めませんから。憧れのヒーローが図書隊にいるんです。いつか会えたら御前を追ってここまで来たんだって言うんです。だから辞めません。」
また、前を向く力。
「面接の時の彼奴か。それほど対した男だったのか」安室教官はそして俺はまっすぐ前を見て告げた。「俺の人生一番大切な人です!」
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作者名:風見龍輝(低浮上) | 作成日時:2018年4月20日 19時