第三話 彼奴が俺のヒーローなわけがない ページ3
風見教官がﾎﾟﾂﾘと呟くと、安室教官は腕を組み、試すような視線を俺に向けた。
｢工藤！次の相手は俺やで、｣服部が対戦相手を俺にしようとすると、安室教官が服部の前に立った。
｢次の相手はこの俺だ｣と強気に言ってきた｡｢安室教官…かよ、｣相手の顔を見ただけで俺の機嫌は悪くなっていくばかりだ。
｢何かご不満でも、？｣
安室はニコッと黒い笑みを浮かべる。
悪魔だ、コイツは悪魔だ！！
俺は心の中でゲームで悪魔を倒す勇者をイメージした。
そして俺は、｢正直不満です、｣と先程の彼のようにニッコリ笑った。｢かなり弱そうな面してるが、一度は畳拝ませてくれるんだな？｣安室教官は余裕そうに俺を見詰めた。
イラｯと来た俺は、すぐに安室教官に襲いかかり、安室教官を投げ飛ばした。
すると風見教官や剣持教官達が驚きのあまり口をあけてその様子を見入った。
｢拝ませて差し上げましたが何か。｣
俺がニコッと再び笑うと、その瞬間にバンｯと床に投げ飛ばされた。そのまま押し倒される。
｢やめろｯ！糞教官！｣
俺はドカッと勢いよく安室教官を突き飛ばした｡
男が男押し倒してどうする気だよ。
俺はもう今日は絶対安室教官とは話さないように決めた。
大食道での食事中｡
｢糞教官糞教官糞教官……｣
俺がブツブツ呟いていると、前の席の服部と黒羽がニヤニヤ笑っていた。
｢派手に押し倒されちゃってたね〜｣
黒羽が俺をからかうように言い出すと、服部も続けて｢ほんまやな〜マジうけるわ笑｣と高笑いを上げた。
｢バーロー、あんな金髪チャラ男色黒教官何て誰に好まれるんだろうか｣
俺はあの"糞教官"に呆れ返り、はぁ、っとため息を吐いた｡
すると、
｢お前の俺に対する評価はよくわかった、"金髪チャラ男糞教官"俺も人間だからたまたま耳に入った言葉が指導に影響しないとは言い切れないが｣
と食事を運んでいた安室教官が、ドサッと教官席に座り込んだ。
｢仕方ないな、安室教官は今どきでいうツンデレって奴だから｣黒羽がニコッと微笑む。
｢それはねえし、｣
｢なぁ、御前の言うヒーローって、安室教官なんじゃないのか、？｣黒羽の言葉が耳に入った安室教官は、後ろの席でビクッと反応した。
｢バレてるみたいだよ｣剣持教官は安室教官の反応を見てクスクス笑った。
｢あんな奴が俺のヒーローなわけがない！｣
｢彼奴があの時の奴なわけがない！｣
二人の声が同時に合わさると、二人は顔を合わせた。
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作者名：風見龍輝(低浮上) | 作成日時：2018年4月20日 19時
