" 頑張れ " なんて言わないで (ページ10)

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fk side

照「ふっか、大丈夫。ゆっくりな？ふーだよ。息吐こうな？」

寝室に入ってきた照が、俺を見るなり焦りながらも

背中を摩ってくれて、いっぱい声をかけてくれた。

照のおかげで呼吸は楽になって、手足はビリビリするけど

過呼吸の後はよくあることだからなんとも思わなかった。

呼吸が落ち着いてからも照はずっと俺の背中をトントンしてくれて

心にずっしりあった重みがなくなっていく感覚がした。

「...ひかる、」

照「んー？」

「ひかっ、」

照「んふふ、どしたの？」

なんで照の名前を呼んだのかは自分でもわかんない、

けど、何度も照の名前を呼ぶ俺を見て照は全く嫌な顔しないで

むしろ笑ってくれた。

俺を照の膝の上に乗せてくれて、横にゆっくり揺れながら

背中をトントンしてくれる。

まるで、小さい頃親がしてくれた時みたいで安心して

照の胸に顔をうずめた。

何も話さないくせに名前ばっか呼んで、

30歳の大人が年下の膝に乗せてもらってるのなんて

可笑しいのに、照はこれが当たり前かのようにしてくれる。

面倒な俺を捨てないでいてくれてる、

「ひか、る」

照「んー？眠そうだね。寝ない？」

「...ぃや、」

照「いやかぁ〜、俺眠いんだけど、一緒に寝てくれない？」

睡魔が襲ってくるけど、寝ちゃったら次起きた時

照がいないんじゃないかって怖くなって断ったのに、

普段あんまお昼に寝たがらない照がそんなこと言うのが珍しくて

俺に気を遣わせないためにそう言ってくれてるんだなって分かって

照の優しさに甘えてみることにした。

「...ん、いーよ、」

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