65話 ページ15
隣にはチャリを押して歩く有岡くんがいる。
あとでお仕置き、と言われビクビクしていたが特に何もされることなく、家まで普通に歩いた。
大貴「明日、9時にAの家に迎えに行くから。」
A「わかった、待ってるね。
じゃ、気をつけて帰ってね。」
大貴「うん、また明日。」
A「また明日。」
と言ったのに帰らない有岡くん。
不思議そうに見つめていると、
大貴「さっきの覚えてる?」
と聞いてきた。
さっきっていつ?
と私が考えていると、
大貴「A。」
と名前を呼ばれた。
なに?、と言おうとした時、口が塞がれた。
突然の事でビックリした。
だって、目の前に有岡くんの顔があるんだもん。
A「長いっ!」
10数秒キスされ、息が上がってしまった。
大貴「A、体力なさすぎ。」
A「体力関係ある?」
私がそう聞くと大笑いする有岡くん。
なるほどね、これがお仕置きか…。
大貴「ね、もう1回していい?」
有岡くんは笑顔で聞いてきた。
家の前なんだけどなー、と思いつつ、ちょっとはしたいなという思いもある。
って、私は変態かっ。
A「ちょっと、だけなら…。」
私がそう言うとスグに唇が奪われた。
ちょっとと言ったはずなのに、それは子供のようなキスから激しく誠実なキスへと変わる。
初めての感覚にビックリしたが、私もそれに必死に応えた。
唇を離すと、やってやったぜ、みたいな表情をしている有岡くん。
大貴「じゃ、また明日!」
ニコニコしながらチャリを漕いで帰る有岡くん。
A「バカ大貴。」
そんな背中に向かい、そう呟いた。
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作者名:結城奏空 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/zyaniotabosyuu/
作成日時:2018年1月10日 20時