過去（マサキside） ページ35
頭に小さな針が刺さったような痛みが走った。
京介は気づく様子もなく黙々と作業を進めていて、相変わらずなその様子に幾らか安堵する。
ようやく、俺の思いを見てくれた人が居るみたいだ。
幼い頃から過ごしたあそこに、この前残留思念を残してきた。
言うなら…俺の過去、そして
遺書。
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俺は物心ついた頃からひっそりとした森の中で暮らしていた。
父親からは、自分が吸血鬼である事を知らされ、
更に人間とは触れあってはならないと強く言われていた。
昔、吸血鬼と人間が争って、争いを避けるために吸血鬼が森の中で暮らすようになったらしい。
生まれついた時から森の中に居た俺は、吸血鬼は全員森に暮らしているのだと当たり前に思ったし、
大して人間に会いたいとも思わなかった。
けれど、両親が病気で死んだ日、俺は好奇心から人間の町に行ってしまった。
そこで俺は初めて知った。
人間の中に普通に吸血鬼が紛れ込んでいることを。
森の中で暮らしていたせいか、俺は人一倍敏感で、あちこちに吸血鬼を見つけた。
おかしい。
吸血鬼は、人間に会ってはいけないはずなのに。
俺は森に戻り、そこで誰かの強い残留思念を感じてそれをまだ未開花の能力で解析してみた。
そこで知ってしまった。
俺の一族が人間を傷つけまいと人目を避けていたのに、張本人達は正体を隠して悠々と生きていた事を。
その瞬間、全身に血が駆け巡り、早すぎる能力の開花と
どうしようもない憎しみが生まれた。
人間も吸血鬼も憎い!!!!
俺は、今まで悠々と生きてきた奴等への復讐を固く決意した。
そして、偶然にもその時に同志もできた。
「お前も、吸血鬼？」
いきなり結界に入ってきた、同い年の奴。
無口で幼い顔も暗いそいつは、理由は違えど目的は一緒だった。
この何年か、ずっと待ち続けて、計画して、ようやく叶う。
吸血鬼への、人間への復讐…
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俺が残した思いはこれだけ。
そして、計画はこれで…終わる。
成功すれば…また会いに行けるよ、父さん……。
俺は目を閉じて…そして敵に挑戦を叩きつける。
ラッキーアイテム
革ベルト
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闇猫(プロフ) - 投票です！私、すっごいマサキ押しです///// (2013年8月31日 13時) (
レス) id: 3e9341991a (このIDを非表示/違反報告)
りこ - 今アンケイト結果を見た。京介ーーー。まっ、いいっかまーくんだしー この小説、ちょーおもしろいー これからもがんばってけださいー (2012年8月28日 2時) (レス) id: c5033fad57 (このIDを非表示/違反報告)
りこ - 投票です。ライバルが京介がいいです (2012年8月28日 1時) (レス) id: c5033fad57 (このIDを非表示/違反報告)
帆ノ夏 - 27だけどぉ〜(汗 ずっと読ませてもらってます// 続編等希望です !! (2012年8月27日 12時) (レス) id: 23aea87b80 (このIDを非表示/違反報告)
ミカエル(プロフ) - とうとう来た！！！このシーンがああぁぁ！！！ (2012年8月26日 13時) (レス) id: d4e3ea5cc6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀬令瑠菜 | 作者ホームページ：http://ameblo.jp/runarunaterulove/
作成日時：2011年11月1日 17時
