プライドを捨てて ページ30
ふわり、と身体が持ち上がる…そんな心地よさを感じ、あたしは目を開けた。
気がつくと、ベッドに寝かされ、服も簡素なワンピースになっていた。
あ「ここは……」
前の記憶が曖昧で、何をしていたのか、分からなくなる。
薄暗い部屋に、独特な甘い香り……
今まで何度か連れて来られた吸血鬼の館だと分かるのにそう時間はかからなかった。
唯一、今までと違うのは今回は何の拘束もされていない事位。
でも…どうして……
綱「お、気がついたか!!」
あ「綱海さん!?」
ドアからひょこっと顔を出したのは、長老こと綱海さんだった。
あたしは急いで身体を起こした…けど、すぐにまた倒れた。
かなりの倦怠感が身体にあった。
綱「バカ!!術で回復したものの、契約者以外に、しかも大量に吸われたんだ、安静にしろ!!」
綱海さんの言葉に、反射的に首を触る。
包帯が巻かれ、微妙に熱い…
その瞬間、あたしははっきりと思い出した。
あ「蘭丸は!?無事なのか!?」
綱「落ち着け……!!」
落ち着いてなんかいられない。契約違反の吸血鬼は死ぬ。
もし、あたしのせいで蘭丸が死んでたら……!!
拓「大丈夫だ。死んでない。」
綱海さんの後ろには神童と…
あ「蘭丸!!」
神童に抱き抱えられた蘭丸が居た。
蘭丸は目を閉じていて、顔もいつもより白い。
綱「奏者が間一髪、狩屋の契約を阻止したから大丈夫だ。」
神童が………？
拓「基山先生の指示だけどな。」
そういって照れ臭そうに笑う神童にあたしは頭を下げた。
あ「…ありがとう。」
他に何も言う言葉はない。
神童…やっぱりいい奴だな……。
綱「ただ、多少失血のショックがある。
A…」
あ「分かってます。」
あたしは手首を蘭丸の口に噛ませ…牙が刺さる様に口を強く閉めた。
深々と刺さる痛み…でも、蘭丸に対する償いなら全然構わない。
蘭丸の喉が微かに動き、あの甘い痺れに包まれる。
少しフラつく位まで吸われた時。
蘭「……A？」
うっすらと目を開けながら、蘭丸が確かにあたしを見て、名前を呼んだ。
あ「蘭丸……!!」
あたしは今まで作り上げたプライド全部を殴り捨て、
蘭丸に抱きついた。
必死に我慢していた感情が、行動で、涙で溢れ出す。
ただごめんとしか言えないあたしを、大きな手が優しく撫でてくれた。
ラッキーアイテム
革ベルト
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闇猫(プロフ) - 投票です！私、すっごいマサキ押しです///// (2013年8月31日 13時) (
レス) id: 3e9341991a (このIDを非表示/違反報告)
りこ - 今アンケイト結果を見た。京介ーーー。まっ、いいっかまーくんだしー この小説、ちょーおもしろいー これからもがんばってけださいー (2012年8月28日 2時) (レス) id: c5033fad57 (このIDを非表示/違反報告)
りこ - 投票です。ライバルが京介がいいです (2012年8月28日 1時) (レス) id: c5033fad57 (このIDを非表示/違反報告)
帆ノ夏 - 27だけどぉ〜(汗 ずっと読ませてもらってます// 続編等希望です !! (2012年8月27日 12時) (レス) id: 23aea87b80 (このIDを非表示/違反報告)
ミカエル(プロフ) - とうとう来た！！！このシーンがああぁぁ！！！ (2012年8月26日 13時) (レス) id: d4e3ea5cc6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀬令瑠菜 | 作者ホームページ：http://ameblo.jp/runarunaterulove/
作成日時：2011年11月1日 17時
