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貴女side
有栖院家の屋敷の大きい門を抜け、夜空を見上げ、｢はぁ...｣と小さく息を吐く。
今日の天気が曇りだったせいか、夜空はいつもよりもどんよりと黒かった。
それが、今の私の心の中を映し出しているかのように見えた。
私の心の中もこの空と同じ、もやもやしている。
『...ま、いつまでもこんなこと考えてたって仕方ないか』
思い出そうとしても思い出せないし、わからないし。
上げていた顔を戻し、もうひとつ息を吐いて自宅へと歩き始めた。
そういえば、久しぶりにこんな時間に外出たな...
やっぱり日中とは違って、人気なはいし静かだ。
これはリリイが言ってたように、確かに吸血鬼が出てもおかしくはないかも。
『...ん？』
すると視界に何かが写り、私は歩いていた足をぴたりとある場所の前に止めた。
そこは公園だった。
『公園...？てか今なんか、人影っぽいのが見えたような...』
こんな時間に公園に誰かがいるなんて、不気味でならない。
もしかして不審者？ま、まさかホントに吸血鬼だったりして...！
その人影を固唾を飲みながら釘付けになって見ていると、急に人影がこちらに近づいて来た。
は！？うそ、私に気付いてこっち来た！？
てかよく見たら人影2つあるんですけどー！？！？
え、吸血鬼じゃなくても普通に怖い！
今にもこの場から逃げ出したいが、足がすくんで動かない。
その間にも、二つの人影と私の距離が徐々に縮まってくる。
ヤバい...！と思って目をぎゅっと瞑ったその時、
｢は......さ......｣
ボソボソと囁かれた声。
何処かで聞いたことのある声だった。
ゆっくりと目を開けると、目の前には...
『...は？』
真昼「花園さん！？」
『ま、真昼くん...！？』
この時間帯でもまだ制服姿の、目を丸くした真昼くんが突っ立っていた。
「何かめんどくせー予感が...」
この気だるそうな声の持ち主は、真昼くんの背後から私を覗き込むように顔を出した。
出たな、吸血鬼(クロ)。
彼は危険な吸血鬼じゃないけどリリイが警告したとおりだった。本当に吸血鬼が出た。
いや、今はそんなことどうでもいいか。
はぁ、とため息を吐き彼らの顔をじっと見て口を開いた。
『何でこんなとこｒ』
真昼「ていうか何でこんなところに花園さんがいるんだ！？』
『......』
台詞取られた。
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サヤ(プロフ) - 続きが楽しみです！頑張ってください！ (2021年8月25日 20時) (
レス) id: 4f60a72d2e (このIDを非表示/違反報告)
三河。(プロフ) - もちょぽてと。さん» ありがとうございます！遅くなるとは思いますができるだけ早く更新できるように頑張ります！ (2017年9月2日 23時) (レス) id: e09e101cc0 (このIDを非表示/違反報告)
三河。(プロフ) - 望さん» 応援ありがとうございます！これからも頑張って更新します！ (2017年9月2日 23時) (レス) id: e09e101cc0 (このIDを非表示/違反報告)
三河。(プロフ) - ミュさん» はい！がんばります！！！ (2017年9月2日 23時) (レス) id: e09e101cc0 (このIDを非表示/違反報告)
三河。(プロフ) - 夜行猫さん» ご指摘ありがとうございます。その点につきましては、「クロ」と呼び捨て、ということにさせていただきます。 (2017年9月2日 22時) (レス) id: e09e101cc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三河。 x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Miraku/
作成日時：2017年7月27日 22時
