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拓弥side
『…』
拓「…」
長い沈黙。
どう切り出せばいいのか分からない。
1度口を開いてしまえば止まらないんだろうけど、話の切り出し方が分からない。
拓「…」
『……拓弥』
拓「な、なに」
『サークルの雰囲気が悪い』
拓「…は?」
『それは、俺のせいなの?』
は?
え……は?
拓「…どういうこと?」
『拓弥たちも雰囲気悪くしてる原因だろ』
え、なんかこいつ開き直ってない?
いつもに増して態度が傲慢で、俺を見事にイラつかせる。
『お前らもAといきなり話さなくなったくせによく言うよ』
拓「それは…!」
『俺でしょ』
拓「…え?」
『いいよ。お前は全部知ってんでしょ。どうせAから相談かなにか受けてたんだよね。それでAのこと尾行したんだ』
拓「…なんで、知ってんだよ…」
『道端であんな大声で喧嘩して、周りに気付かれないとでも思ってたの?拓弥ってやっぱバカだね』
落ち着け。感情的になるな。抑えろ。
今日は海と喧嘩するために話したんじゃない。
解決しないといけないんだ。
『俺とAがどんな関係か。…たぶん、昔の関係も知ってるよね。それで俺と話して、何がしたいの?正義のヒーロー気取り?』
海ってこんな奴だったっけ?
いつもの海はもっと穏やかだったはず。
次はどんな言葉の暴力がくるのか考えたら、怖くて話せない。
さすがの俺も心はあるし、傷つきもする。
海は鋭い眼光で、じっと俺を見つめてる。
…ダメか。
俺ごときが突っ込んでいい問題じゃなかった。
もう帰ろうとした時、頼んでもない暖かい紅茶をもった海の友達がきた。
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作者名:ましゅまろ | 作成日時:2020年3月19日 1時