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拓弥side
拓「海。ちょっといい?」
『え…うん。ごめんねひなた、今日は先帰ってて』
ひな「……うん、分かった」
少し涙目の上目遣いで海を見上げる。
どこまでも計づくしのこの女が本気で気持ち悪い。
一瞬こっちをみた海の彼女を睨んで、さっさとこの場から消えてもらった。
海「珍しいね。拓弥から俺に絡んでくるなんて」
拓「サークルの空気が悪いことには気付いてんだろ」
海「……場所、変えよっか」
そのまま海に付いていくと、着いたのはオシャレなカフェ。
匠「いらっしゃ……海!」
『久しぶり、匠海』
匠「久しぶり。あ、こんにちは」
拓「こんにちは…。え?」
『俺、前ここで働いてたんだ。だから知り合い』
拓 「あー…なるほど。海っぽいわ」
『でしょ?ここの雰囲気好きなんだ』
海の友達が案内する前に、海が勝手に席に着く。
いい感じに陽の光が当たる場所で、これから重い話をするのは似合わない。
だから、話すなっていう海の無言の抵抗にも感じた。
でも、俺にはそんなの関係ない。
さすがにあの雰囲気を、放っておくわけにはいかない。
海とAの間に、どんな闇があるのかも知らないけど
このまま流すのは、もっとダメな気がしたんだ。
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作者名:ましゅまろ | 作成日時:2020年3月19日 1時