勿忘草 (ページ37)

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「北村さん…」

匠「ん？」

「私…まだ海のこと好きなんです」

匠「…うん」

「でも、…もう海には新しい彼女がいる」

匠「え…？…そうなの？」

海に彼女がいることは、知らなかったみたいだ。

じゃあ、海はいつあの子と付き合ったんだろう…？

「でも、私諦めてないです。これ読んだら、今カノより好かれてる自信ある。」

匠「うん」

「本当に、ありがとうございました。あの…また、相談しに来てもいいですか…？」

匠「うん、もちろん。いつでも待ってます」

柔らかい笑顔で、そう笑ってくれた北村さん。

独特の包容力があって、この人といるとすごく落ち着く。

「じゃあ…失礼します」

匠「引き止めてすみません。気を付けて帰ってください。…あと、海に彼女がいるのは、Aちゃんのことを忘れようと無理してる可能性あるかも。…踏み込みすぎないように、頑張ってください」

「はい、ありがとうございます」

北村さんに挨拶をして、お店を出た。

午後10時。

泣き疲れて頭も痛い。

でもどこかスッキリしていて、帰り道をルンルンと帰った。

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