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その日の帰り道、いつもは通らない道を通って駅へ向かった。
もちろん、海が働いてるカフェの前を通って帰る為。
カフェの外に置いてあるメニュー表を見てるフリして中を覗いてたけど、" 佐野ひなた " どころか海もいない。
たまたまシフトがなかっただけかもしれないけど、ちょっとショックだ。
ここのカフェのエプロンしてる海見たかったな…
なんて、いつまでも彼女気分でいてしまうのも、ちゃんとした別れ方をしてないからだと思う。
？「あの…」
店の中を見るのに必死になってると、中から店員さんが出てきてしまった。
「え、あ、すみません！ずっといるだけで！すみません帰ります！失礼します！！」
？「いや、えちょっ！」
恥ずかしさでいっぱいな私は店員さんの声も聞かずに早足にそこを去った。
だって、10分も同じ場所にいるのになかなか店の中に入らないんだもん。
そりゃ怪しんで店員さんも出てくるわな。
「はぁ…」
ため息しかでてこない。
あの時、海に連絡してさえすれば、謝ってさえいれば、
いま海の隣にいたのは私だったかもしれないのに。
私がちゃんと海と向き合っていれば、今も一緒にいれたかもしれないのに。
若干涙目になりながら、久しぶりのアイコンをタップして電話をかけた。
「もしもし、るな？…まぁ久しぶりって余韻に浸りたいのも山々なんだけど、…今ひま？」
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作者名：ましゅまろ
| 作成日時：2020年3月19日 1時
