勿忘草 (ページ6)

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『うん、高校でもやってたし』

「そういやそうだったね」

目も合わせず、気まずいだけの会話。

お願いだから他の子誰か来てって思うけど、なぜか来ない。

『Aは、中学生までやってたんだっけ？』

「あー、うん」

『また始めるんだ？』

「勧誘しつこかったから」

『あー、祐基しつこいよね』

「…祐基先輩と知り合いなの？さっきもタメだったし」

『うん。昔からの幼馴染かな』

「へー、そうなんだ」

『うん』

…会話終了。

いやむしろよくこんな続いた。

タイミング良く音楽が大音量で流れてくれたから、沈黙が気まずくなることはなかったけど、他に1年が来てくれなかったら海と2人ってことになる。

それだけは無理。

絶対にむり。

入ろうという気あったけど、いま一気に失せた。

…でも、祐基先輩がかっこいい。

他に踊ってる人もかっこいいけど、断トツで祐基先輩がカッコよすぎる。

元からダンスが好きな私は、祐基先輩に教えてもらいたいっていう欲が出てきていた。

ふと隣を見ると、海も踊ってる先輩達をキラキラした目で見ている。

海も、ダンス好きだったもんね。

…今ここでは、昔の事情なんて関係ない。

ダンスが好きな者同士、上手くやってこうじゃないか！

祐「おつかれー！2人ともどうだった？」

「かっこよかったです！！」

『かっこよかったよー』

祐「ほんとに！よかったぁ！」

人懐っこい笑顔がかわいい。

これがかっこいい曲では人殺しそうな目してて、セクシーな曲ではものすごく色っぽくて…

ギャップ萌えが半端ない。

祐「別に今日入るって決めなくてもいいけど、部員登録もあるからなるべく早めに…」

「『入ります！』」

「え」

『え？』

「えなんのえ？」

『……いや、なんでもない』

祐「え、2人とも知り合い？てか2人とも入ってくれるの！？嬉しいありがとうー！！」

祐基先輩に死ぬほど喜ばれて、連絡先も交換してそのまま何故か海と帰るはめになった。

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