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恋愛って駆け引きの連続だと思う。
どうやって自分の方に気持ちを向けるか。
どうやって相手を繋ぎ止めるか。
どうやって相手の気持ちを変えさせるか。
ひな「こんにちは、Aちゃん」
…どうやって、バレないように相手と関係をつくるか
「…こんにちは」
『え、お前バイトじゃないの?』
ひな「店長が色々あったみたいで、しばらく休業なの。…2人は、何してたの?」
「えっ…と…」
言えない。
海の家に向かう途中だなんて。
『たまたま会って話してただけだよ』
時々、海は浮気に慣れてるんじゃないかと思う。
何も大丈夫じゃないのに余裕なところとか、こういう言い訳がサッと出てくるところとか。
…私と付き合ってた時も、浮気してたのかなとか余計なこと思ってしまう。
ひな「そっか〜。…じゃあ私、海と一緒に帰りたいんだけどいいかな…?」
「…」
断わる理由なんてない。
というより、断れる理由がない。
そしてこういう時は、私なんかより彼女優先に決まってる。
『うん、もちろん。じゃあA、また明日ね』
表情を全く崩さずに私から離れた。
その様子は、少しも悪びれた様子はないみたいだった。
元々は、海のせいでこんな複雑な関係になったのに。
私はこんな関係になりたかったわけじゃない。
でも、この関係を始めたは始めたで嬉しい気持ちになる。
「はぁ…」
1人になってしまった帰路を、ため息吐きながら帰った。
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作者名:ましゅまろ | 作成日時:2020年3月19日 1時