やっぱり運命の人~third~

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太「あのー…」





今度は、おずおずとタカシくんが手を上げる。





太「いちおう、自己紹介しますね？松尾太陽です。太陽って書いてタカシって読みます」





拓「イマドキだろ？」





『はぁ、キラキラネームっすね』





ついでにキラキラフェイスっすね。
…とは言わなかった。





太「僕は拓弥くんの…親戚？小さい頃からずっと仲良くて。面倒みてもらってたんです」





『そうなんだ。』





で、太陽くんとAさんの関係は？
俺が聞きたいのはそれだけだ。





太「Aちゃんとは、ついこの間出会ったんです。同じ歳くらいの子見つけるの久しぶりだからちょっと嬉しくて。病室まで追いかけてきちゃったのが始まりです」





恥ずかしそうにはにかむ太陽くん。





…始まりです？





なんだその先があるみたいな言い方は。





あるなよ。





先なんてあるなよ終われよ。





太「それから、俺が暇な時はここに来てお喋りしてるだけですよー」





今度は俺に語りかけるような話し方をする。





こいつ、俺の威嚇態度で悟ったな。
顔がいいのに悟りもいいとかなんなんだよまじで。





拓「何言ってんだ暇じゃねぇだろ。ほら、さっさとリハビリ行くぞ」





草川先輩は呆れたように吐き捨てて、太陽くんの車椅子を押して病室を出ていった。





去り際に、太陽くんはAさんに余裕そうに手を振った。





それに応えて笑顔で手を振るAさん。





それだけでムカつく。





それを不安な気持ちに変えないためには、俺が早く告えばいいだけの話で。





2人で出ていった後の病室は、





「稜雅さん、今日早いですね」





そう。





これがいつもの病室だ。


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