僕らが強く。

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大智side





動画投稿から3ヶ月。
今では、登録者数4万人。





正直、ここまで増えると思ってなかったし、増えないでほしかった。
ひっそりと、こじんまりやりたかった気持ちもあるから。





でも、それだけの人が俺の音楽を評価してくれてるっていうのは、素直に嬉しかった。





今日もスタジオで曲を作ろうとしたとき、久しぶりに匠海からメッセージがきた。





匠【これ、もしかして大智？】





それと一緒に送られてきたのは、俺のチャンネルのスクショだった。





匠海とは、音楽の好みが似ていたし、いつか俺の作った曲を聴かせていた時もあった。





だから、気付くかなとは思ってた。
別に匠海は事務所に言わないだろうし、素直に【そうだよ】とだけ答えて、スタジオへ向かった。





大「こんにちはー」





店員「大智くん！こんにちはー。今日は…3時間ね、いつものとこねー」





大「はーい、ありがとうございます」





カスタマイZの頃から使っていたスタジオ。
店員さんとはもうすっかり顔見知りだ。





1人でスタジオに入り、軽く楽器を触っているとスマホが光った。





匠【そっか】





…拍子抜けした。
もっと突っ込んでくるかなって思ってたから、なんていうか……





寂しかった。





でも、いいんだこれで。
俺はもう、1人でやるって決めたから。





こんなに何回もファンを裏切る結果になるなら。
こんなに何回も、辛く苦しい気持ちになるなら。





音楽を、苦しい思い出にしたくない。





もう誰とも、音楽をやらないって決めたんだ。


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