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匠海side
宮「…うん、本気だったよ」
そう聞こえて宮下さんを見ると、あんまり見ない真剣な顔で俺を見ていた。
匠「…なんで、ですか?」
宮「別にDISH//のこと忘れろとか言ってるんじゃない。単純に、俳優北村匠海の強みになるだろ。だから言ってんの」
匠「でも、」
宮「最近歌う仕事も増えてるし、匠海の歌は心に響くから。業界で匠海のCD欲しいって人多いよ?」
匠「…無理です」
宮「なんで?」
匠「俺が気持ちよく歌えてたのは、あの3人がいたからで、1人になったらいい歌なんて歌えない」
宮「はぁ…なんなのお前ら全員」
匠「え?」
宮「自分たちで決断したんだろ、解散は。俺言ったよな?もうやり直せないぞって。…そんなに未練残ってるくらいなら、なんで解散なんてしたんだよ」
大切なものは失ってから気付く。
って、きっとこういう事だと思う。
いくら未来が見えなくても、いくら無理だと思ってても、俺はDISH//でいられればそれで良かったんだ。
匠「…どうすれば、良かったんですか…?続けてるのは苦しかったから解散を選んだのに、そのせいでいつまでもすがりついて…どうするのが正解だったんですか」
宮「…自分たちで考えろ。もう1回集まって、全員で話し合ってこい」
そう言って出ていってしまった宮下さんを見つめる。
もう、分からない。
全員が全員、進めてなくて苦しんでる。
これじゃなんの為に解散を選んだのか分からない。
1つ、大きなため息をついて次の仕事に向かった。
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ましゅまろ(プロフ) - トン助。さん» 初めまして!コメントありがとうございます!とても嬉しいお言葉ありがとうございます、励みになります!DISH//さんと共に、この作品も愛してくださると嬉しいです! (2020年9月14日 15時) (レス) id: de85c83aa4 (このIDを非表示/違反報告)
トン助。(プロフ) - 初めまして。DISH//が大好きで作品を探していたら、この作品に出会いました。文章力と表現力を活かした作品のクオリティに衝撃です。更新本当に楽しみにしています。頑張ってください(^^) (2020年9月3日 20時) (レス) id: 5008114d4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ましゅまろ | 作成日時:2020年8月27日 22時